第79期B1順位戦、藤井聡太二冠vs窪田義行七段の対局模様をまとめています。

2/9の順位戦9局まで※残1局
21.藤井聡太二冠8-0⇒9-0※B1昇級
22.佐々木勇気七段7-1⇒8-1※B1昇級

残り1枠と次戦対局相手
③横山泰明七段 6-3 窪田七段
④澤田真吾七段 6-3 飯塚七段
⑥村山慈明七段 6-3 佐々木七段
⑧中田宏樹八段 6-3 杉本八段
⑪大石直嗣七段 6-3 谷川九段
⑯中村太地七段 6-3 藤井二冠

本局形勢

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目次

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藤井聡太二冠VS窪田義行七段、対局結果と棋譜

先手番:窪田義行七段

後手番:藤井聡太二冠

戦 型:四間飛車
後手番四間飛車:通算3勝2敗(2敗は久保九段)

藤井聡太二冠の戦型データを確認してみる

~20手目

 
20手目棋譜
20手目
残:窪田七段⇒5:45 藤井二冠⇒5:52

朝から忙しない窪田七段^^;

対局開始前。。

上田女流「対局開始まで一分を切りました。」

井出四段「状況がそれを感じさせないですね。大丈夫ですかこれ、行けますかね?」

上田女流「なんか出てきましたね」

井出四段「あれは棋譜ファイルですね・・」

上田女流「このタイミングで棋譜ファイルを・・」

井出四段「なんで出したかは分からないですけど」

忙しそうに再度しまわれて対局開始^^;・・

※本日の棋譜を入れるファイルのようで、中身は空のようです

~40手目

21.▲39玉
22.▽33角
23.▲56銀
24.▽24歩
25.▲46歩
26.▽74歩
27.▲28玉
28.▽22銀
29.▲78飛
30.▽23銀
31.▲36歩
32.▽64銀
33.▲47金
34.▽75歩
35.▲67銀
36.▽42金寄
37.▲56歩
38.▽76歩
39.▲同銀
40.▽72飛

 
窪田七段は現在、藤井二冠との対局のために禁酒されていたそうで。

結構長い期間。

井出四段によると、藤井二冠に刺激を受けて、藤井二冠がB2に上がる前から禁酒を・・・2018年度の第31期竜王戦で藤井七段(当時)との対局が実現する可能性があり、その頃~禁酒をされているとのこと。

ちなみに阿部光瑠六段に敗戦し、対局は実現致しませんでした。

待望の対局だそうです^^

上田女流「振り飛車党の棋士は窪田七段の棋譜を参考にされる方多いですよね。」

井出四段「そうですね・・多くの人は自分にないものを求めるじゃないですか、そうすると窪田流は自分にないものの塊のような・・窪田流は・・そういう意味では新しい視点を得るためには、こういう作りを参考にされるという方は多いかもしれないですね。」

上田女流「菅井八段も参考にされていますと・・」

井出四段「あぁそうですね、菅井八段そういう要素ありますね、菅井将棋、結構独特の力強さみたいなものがありますよね、居飛車党から見ると読み辛そうな手をうまく使ってくる印象ありますね。振り飛車でトップに行くには、そういう手が必要で、普通の手だけで居飛車に対抗するのは難しいですからね。異筋の手をどっかで絡めていかないと。筋の悪い手でリードを保ったり、バランスを保ったり。一見筋の悪いような手をまとめていくという・・。」

昼食は、藤井二冠「和風ポークカレー(鳩やぐら)」、窪田七段はメニュー表をひと通り確認され、他の方の注文メニューまでご覧になっておられましたが・・・結局「なし」(;^_^A

井出四段「前インタビューで昼は食べないって書いてありましたけどね、めっちゃ選んでる。でもいつも昼食頼んでた気がします。」

上田女流「頼んでました。これだけ吟味して昼食はいらない・・・いらないです!うそー!」

井出四段「これだけやってマジか・・見るだけ見たんですね」笑

※23.▲56銀 行方九段「後手が何もしなかったら45銀と繰り出して行って、角頭が受け辛いだろうということですよね、ただ▽44歩と止めた場合にどうするのか?というのは謎なんですけど・・本局はそうはならなかったので・・」

昼前棋譜※29手目棋譜
29手目
残:窪田七段⇒5:09 藤井二冠⇒5:03 AbemaAI先後:48-52

30.▽23銀まで。

井出四段「序盤の23.▲56銀をどう使うか?というところ。先手の理想は67に銀、56に歩がある形。▲75歩としたときに、▽同歩、▲65歩、例えば▽44歩とやって、▲66角という筋がある、▽86歩、▲75飛と取って、▽73歩打、▲86歩、▽同飛となったときに、これが一番違いが解かりやすいですかね」

「もし67に銀、56に歩があれば、▲77桂で▽89飛成、▲85飛という感じで裁ける。でも本譜で桂馬を跳ねると、角で飛車を取られちゃう。だから仕掛け辛いんですよね・・56銀型を咎められないように指すという感じですかね。活かすのは難しいので損はならないように駒組を進められれば良いかなという感じですね。後手も居飛車穴熊を諦めているので、主張はあるんで、そんなに大差はないと思いますが。」

32.▽64銀まで。

井出四段「まず65歩って当たるじゃないですか。仕掛けられなそうじゃないですか。出たところで・・出たら仕掛けてどうせ引くんですよね。角交換だけして、銀下がって飛車先突破を狙いますみたいな。そういう将棋なんですよねぇ・・これ多分美濃囲いがしっかり囲っていないっていう判定なんでしょうね。」

「▲47金と囲っていると、▽75歩と来られて、例えば▲同歩、▽同銀はダメですよね、▲59角としてもスカスカすぎて受からない。」

「▲67金と上がって、▽75歩とされたら▲59角と下がるみたいな。。こういう受け方が必要だよということですね・・まぁ67金上がれば、後手も仕掛けを止めてくれるかもしれないですね・・▽73桂とか、▲65歩と突かせても良いし、▲37桂、▽42金上、▲26歩、▽94歩みたいな・・あと先手が▲96歩と受けてきたら、自分から▽85飛として▽75歩で仕掛けを目指すかもしれませんので、67金のような守りを足すような手が求められるかもしれません。」

33.▲47金まで。

井出四段「非常に前向きな手。▽75歩としたときに、▲67銀も確かにありますけど・・・ありますけどって感じですね・・▲65歩として、▽77角成、▲同飛、▽53銀、▲75歩、▽86歩、▲同歩、▽同飛、▲87歩打、▽83飛・・・仕掛けが始まるかどうか、長考になりそうです。」

※行方九段・青嶋六段「果たしてこの33.▲47金が有効な手だったか?という判断も難しい。37桂と跳ねるためには必要な手ということなんでしょうが・・」

Abemaの最新AIは次手、67銀、次善手65歩。

⇒35.▲67銀。

攻め続けるかと思いきや、藤井二冠は36.▽42金寄と自陣整備。

※局後インタビューにて、『(飛車角交換)こちらの陣形が難しい形ではあったんですが、金が立てに2枚並んだ形を崩さなければ結構戦えるのかなと思っていました。』と答えられていましたが、その後の展開はこの陣形が活きる形になりました※Abema(7:27:00頃参照)

井出四段「この後手陣をまとめ切るのは・・・対局者を見るとまとめられるかもと思っちゃいそうですけど、こういう薄さはさすがの藤井二冠でも難しいんじゃないかなと思うんですが・・そんなこと言っていつもまとめてきますからね・・」

40手目棋譜
40手目
残:窪田七段⇒4:01 藤井二冠⇒2:35(´;ω;`)

井出四段は互角押しですが、AbemaAIは48-52と少し居飛車押し。

何とも言えない局面ですが、序盤の難所は抜けてこれから・・というところ。

井出四段「名前を伏せたらプロの6割は先手持ちだと思う。」名前を伏せる・・・笑

人間的には互角のようです^^

※感想戦インタビューにて、窪田七段はこの37.▲56歩が敗着だと言われていましたが、解説陣は振り飛車も十分戦える展開という見解でした、この辺り~少し悲観されていたかもです

~60手目

41.▲88角
42.▽77歩打
43.▲同飛
44.▽66角
45.▲67銀
46.▽77角成
47.▲同角
48.▽33桂
49.▲73歩
50.▽同飛
51.▲82角打
52.▽69飛
53.▲58銀
54.▽89飛成
55.▲73角成
56.▽同桂
57.▲61飛打
58.▽76歩打
59.▲66角
60.▽77角打

 
AI推奨は74歩でしたが、窪田七段41.▲88角とじっと引いて、銀取りを受けられました。

形勢が大分藤井二冠ペースへ(AbemaAI39-61)。

行方九段「穏やかな受け方。▲74歩だと激しくなったんでしょうけど、これは相手にゆだねた手で、▽77歩打、▲同飛、▽66角、▲67銀、▽77角成で飛車として、▲77角で取り返して、飛車角交換になって・・これは十分考えられる、まぁ(42手目)77歩と藤井さんが叩けばこうなるでしょう。」

青嶋六段「(88角)自分だったら指さない・・負担ですよね・・」

行方九段「ちょっと・・引いて収まるならいいですけど、恐らく許してくれないですよね。」

青嶋六段「47金が58にいればいんですけど、88角、78飛、76銀の配置も自分から解消するのが難しいので・・指しにくいですね。」

行方九段「窪田氏とは2局しか対局したことなくて、四段当時と最近3,4年前に久しぶりに当たりまして、イメージとしては力強く戦うという、駒を全面に出していくようなイメージ。88角というより74歩とかのイメージでしたけれど、88角が意外というか・・」

⇒42.▽77歩打。

行方九段「44.▽66角のところは勝負所だったと思うんですけど・・」

AI推奨は65歩、75歩などでしたが、窪田七段45.▲67銀で形勢が更に藤井二冠ペース。

夕食は藤井二冠「鴨せいろそば(ほそ島や)」、窪田七段「豚肉と白菜のとろとろ塩だれ定食(紫金飯店)」

夕休前※48手目棋譜
48手目
残:窪田七段⇒3:15 藤井二冠⇒1:54

49.▲73歩で藤井二冠優勢へ。

60手目棋譜
60手目
残:窪田七段⇒2:27 藤井二冠⇒1:12

井出四段「最近飲む物が変わったとか・・前は炭酸飲料とかスズメバチウォーターとか」

うーん、変わったようです^^・・・いや、炭酸水はある・・

~80手目

61.▲84角
62.▽99角成
63.▲74歩打
64.▽65桂
65.▲73歩成
66.▽77歩成
67.▲48金引
68.▽68と
69.▲47銀左
70.▽82香
71.▲同と
72.▽67と
73.▲63飛成
74.▽66馬
75.▲同角
76.▽同と
77.▲64龍
78.▽57桂成
79.▲69歩打
80.▽48成桂

 
評価値以上に難解な局面、どうやって勝に持っていくか?という感じ。

70.▽82香。

行方九段「1筋の端に手が行きそうですが、70.▽82香・・そうとう見え辛い。」

74.▽66馬。

行方九段「単純に▽57とと寄るのでは、▲同金、▽同桂成、▲同角とされて、拠点がなくなる。金が取れても拠点がなくなる方が痛いですよね。84角を消すのが攻めの急所なんですね。。」

80手目棋譜
80手目
残:窪田七段⇒2:05 藤井二冠⇒0:34

~100手目

81.▲同金
82.▽69龍
83.▲49香打
84.▽15歩
85.▲91と
86.▽16歩
87.▲18香打
88.▽25桂
89.▲26銀打
90.▽17桂打
91.▲37桂
92.▽同桂成
93.▲同銀引
94.▽25桂打
95.▲26角打
96.▽59角打
97.▲39玉
98.▽37桂成
99.▲同角
100.▽57銀打

 
投了図
100手目
残:窪田七段⇒1:27 藤井二冠⇒0:21

100手まで、窪田七段投了。

藤井二冠、B1昇級決定です。


藤井 窪田 順位戦 形勢
※AIによる評価値は、とても人間には見えない着手も含む数字であることをご理解の上、ご参考程度にどうぞ
本局のタラレバ検討会は「深浦九段と佐々木大地五段」、Abemaビデオにて公開♪



順位戦最終局は中村太地七段(3/10)。

 
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藤井聡太二冠と窪田義行七段の対局前後のコメント

 

局後インタビュー
  • 藤井聡太二冠
  • 『昇級する可能性が高い状況ではありましたが、決めることができたのは良かったかなと思います。順位戦はあと1局ありますので、しっかり気を引き締めてやって行きたいなと思います。』

    『(どういう条件で昇級ができるのか)知ってはいたんですが、対局に臨むにあたり他局のことは考えないようにしようと思っていました。』

    『(本日)普段通りじっくり考えて指せればと思っていましたし、実際そのように指せたのかなと思います。』

    『難しい将棋が多かったんですけど、1局1局しっかり考えて指してこれたのが結果につながったのかなと思います。』

    『佐々木勇気七段との将棋は難しい将棋だったんですが、それに勝つことができて、前を向いてやっていくことができたのが良かったのかなと思います。』

    『やっぱりB1だと対戦相手が更に厳しくなると思うので、これから更に実力をつける必要があるのかなと思います。総当たりでストップウォッチで少し持ち時間が延びると思うので、しっかり考えて指していきたいなと思いますし、楽しみでもあります。』

    『考えられる戦型かなとは思っていたんですけれど、23.▲56銀と出られた辺りから想定とは違って1手1手難しい展開になったのかなと思っていました。』

    『(飛車角交換)こちらの陣形が難しい形ではあったんですが、金が立てに2枚並んだ形を崩さなければ結構戦えるのかなと思っていました。』

    『74.▽66馬とぶつけた辺りで、少し手厚くなってきた印象でした。96.▽59角打と打った辺りで攻めが繋がる形なのかなと思いました。』

    『B1はトップクラスの実力のある方ばかりという印象なので、自分自身も力をつけて戦っていきたいなという気持ちです。』

    『対局に関しては朝日杯がすぐ近くにあるので、順位戦とは変わって早指しですけど良いパフォーマンスを出して指したいなと思っています。』

    『順位戦は持ち時間6時間で、一番長いので、じっくり考えられるのは自分にあっているのかなという風に感じています。』

    『自分としてはA級や名人を意識することは全くないんですが、B1でどのくらい戦えるかというのは大事かなと思いますし、B1は他のクラスよりも対局数も多くて、より安定した力が楽しめるという印象もあるので、そこでしっかり戦って行けるように力をつけたいなと思います。』

    『序盤から想定を外れて、1手1手難しい将棋だったかなと思うんですけど、その辺りの駒組の経験値の差というのは感じるものがあったので、学んで行きたいなと思いました。』

    『ご観戦いただきまして、ありがとうございます。本局でB1昇級を決めることができて嬉しく思っております。来期もB1で大変な戦いになるかと思うんですが1局1局良い将棋を指せるよう頑張っていきますので、よろしくお願い致します。』

  • 窪田義行七段
  • 『37.▲56歩が敗着かなと。37.▲56歩に38.▽76歩と取り込まれて決戦に持ち込まれてからは、まずいなと思っていましたね。』

    『75歩と僕がぶつかって仕掛けていくようになるんですけど、それから良いタイミングで決戦に入れたかなという感じですね。※37手目?』

    『そこからは、頑張ったけれどやってみると、かなり悪いですよね。』

    『49手目、73歩もかなり捻りだしたという感じで、苦し紛れだったかなと。もっと積極的に対応すべきだったかなという印象ですね。』

    『私の方もね、もう少しちょっと、前々から頑張る余地があったなというね、と思うけれど、やっぱりねしっかり指して付け入る隙がなかったなと思いますね。』

 

藤井聡太二冠の次の対局予定※2/11vs渡辺名人戦(朝日杯)

【2月11日】vs渡辺明名人【第14回朝日杯】

対局相手
クラス別戦績※Aで換算
過去対局
持ち時間
各40分
時間別戦績
1時間未満棋戦通算87勝18敗(0.8285)
対局場所
朝日ホール
開始時間
10:00~
トーナメント表

過去対局

※※横にスクロールできます※※

日付 勝敗 対局時クラス 手番 戦型 手数 棋戦名 棋譜
2020/7/16 A 矢倉 110手 第91期棋聖戦五番勝負第4局 棋譜
2020/7/9 A 角換わり腰掛け銀 142手 第91期棋聖戦五番勝負第3局 棋譜
2020/6/28 A 矢倉 90手 第91期棋聖戦五番勝負第2局 棋譜
2020/6/8 A 矢倉 157手 第91期棋聖戦五番勝負第1局 棋譜
2019/2/16 A 雁木 128手 第12回朝日杯本戦 棋譜

 

中継情報

携帯アプリ10:00~
AbemaTV9:25~
※解説者:広瀬章人八段、三枚堂達也七段
※聞き手:村田智穂女流二段、貞升南女流二段
 
となっております.+:。(´ω`*)