有楽町ホールで行われた、朝日杯準決勝「永瀬拓矢九段 vs 西田拓也五段」戦は、219手で永瀬九段の勝利。

午後~藤井竜王・名人と決勝戦。
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目次

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永瀬拓矢九段の略歴※'24年3月17日現在

生年月日:1992年9月5日(31歳)
プロ入り:2009年10月1日(17歳)
竜王戦:1組(1組⇒6期)
順位戦:A級(3期)
得意戦法:振り飛車党⇒居飛車党へ※オールラウンダー

タイトル歴
叡王戦(第4期:2018年度)
王座戦(第67期:2019年度、第68期:2020年度、第69期:2021年度、第70期:2022年度)
棋戦優勝歴
加古川青流戦(第 2期:2012年度)
新人王戦  (第43期:2012年度)

2004年 9月(12) 6級 奨励会入会

2007年 4月(14) 初段

2007年12月(15) 三段

※三段リーグ戦は3期目、14勝4敗でプロ入り
※同時昇段は阿部健治郎三段(当時)

2009年10月 1日(17) 四段

2012年 4月24日(19) 五段
※竜王ランキング戦連続2回昇級

2013年 6月17日(20) 六段
※竜王ランキング戦通算3回優勝

2015年度、第74期順位戦でC級1組へ昇級決定

2017年11月22日(25) 七段
※竜王戦1組昇級

2017年度、第76期順位戦でB級2組へ昇級決定

2018年度、第77期順位戦でB級1組へ昇級決定

2019年10月 1日(27) 八段
※タイトル2期獲得による
※タイトル2期獲得時の昇段規定による八段昇段の第1号

2020年10月14日(28) 九段
※タイトル3期獲得

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レーティング比較※'24年3月17日現在

藤井聡太竜王・名人【レーティング(1位:2120】
※'24年3月17日現在 対局数 勝率
通算 436 364 71 1 0.8367
2023年度 55 46 8 1 0.8518

※2022年度勝率は0.8281
※2022年度【最優秀棋士賞】【名局賞】【名局特別賞】受賞、最多勝利賞、勝率1位賞部門で1位獲得

永瀬拓也王座【レーティング(2位)1919】
対局数 勝率
通算 714 495 217 0.6952
2023年度 48 29 19 0.6041

※2022年度勝率は0.6607
未放送棋戦結果の反映などにより、勝敗数にズレが生じることがあります。
正確な勝敗数は日本将棋連盟HPの公式ページにてご確認ください。

※※レーティングについて※※簡単に説明すると・・・
  • 強い人に勝てばたくさん点数がもらえて、弱い人に勝ってももらえる点数は少ない
  • 強い人に負けても失う点数は少なく、弱い人に負ければたくさん点数を失う

★所属クラス(A級~C級2組)で、大体の強さは想像できますが、所属クラスは必ずしも現在の強さを反映したものではないのに対して、レーティングは現在の強さを、対局毎に変動する数値で表現したものです

平均的な棋士のレーティングを1500として計算されています。

レーティング参考サイトはこちら

最近の勝敗も反映されている数値なので、所属クラスと合わせて目安にされると良いと思います。

藤井聡太※クラス・棋戦・時間別戦績と勝率

クラス別戦績
棋戦別戦績
朝日杯通算28勝3敗(0.9032)
時間別棋戦戦績
1時間未満棋戦通算87勝18敗(0.8285)

永瀬拓矢王座との過去対戦結果【16勝8敗】非公式戦含

対局日対局時クラス
藤井聡太
対局時クラス
永瀬拓矢
勝敗手番戦型手数棋戦名
252024/2/4竜王・名人A
矢倉129手第17回朝日杯決勝
242023/10/21竜王・名人A
角換わりその他84手第44回JT杯準決勝第1局
232023/10/11竜王・名人A角換わりその他138手第71期王座戦五番勝負第4局
222023/9/27竜王・名人A雁木81手第71期王座戦五番勝負第3局
212023/9/12竜王・名人A角換わりその他214手第71期王座戦五番勝負第2局
202023/8/31竜王・名人A角換わりその他150手第71期王座戦五番勝負第1局
192023/2/1竜王A角換わり腰掛け銀129手第81期A級順位戦
182023/1/3竜王A相掛かり123手第11回上州将棋まつり2023
172022/12/25竜王A矢倉74手SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦
162022/9/16竜王A角換わり腰掛け銀118手第30期銀河戦決勝T2回戦第1局
152022/7/17竜王A相掛かり104手第93期棋聖戦五番勝負第4局
142022/7/4竜王A角換わり腰掛け銀145手第93期棋聖戦五番勝負第3局
132022/6/15竜王A角換わり腰掛け銀138手第93期棋聖戦五番勝負第2局
122022/6/3竜王A先(千) 角換わり腰掛け銀114手第93期棋聖戦五番勝負第1局
112022/1/16竜王A雁木109手第15回朝日杯本戦
102021/11/24竜王A相掛かり101手第71期王将戦挑決L
92021/11/3B1A角換わり腰掛け銀99手第42回JT杯
82021/8/30B1A相掛かり77手第34期竜王戦挑決T三番勝負第2局
72021/8/12B1A三間飛車184手第34期竜王戦挑決T三番勝負第1局
62021/5/31B1B1その他力戦138手第6期叡王戦挑決T
52020/10/26B2B1四間飛車164手第70期王将戦挑決T
42020/9/15B2B1横歩取り75手第28期銀河戦決勝T
32020/6/23B2B1角代わりその他127手第61期王位戦挑決
22020/6/4B2B1相掛かり100手第91期棋聖戦挑決T
12017/3/19C1ゴキゲン中飛車114手炎の七番勝負※非公式戦

↓どんな対局だったかざっくりまとめてます^^

第17回朝日杯決勝

永瀬九段の研究が深く、一時は35分程差がつく展開へ。

その後時間差も縮まり、互角のまま終盤戦に突入しましたが、途中100手目で、107.▲15龍と出てくる筋が痛いことに気付いておらず軽視があったとのこと。

そこからは先手永瀬九段ペース、129手まで、藤井竜王・名人投了。

第44回JT杯準決勝第1局

藤井竜王・名人が、早々に飛車を切る積極的な攻めで快勝、84手まで、永瀬九段投了。

第71期王座戦五番勝負第4局

永瀬王座の深い研究に、序盤~藤井竜王・名人の長考が見られ一時は3時間程の時間差が開き、徐々に劣勢へ。

形勢はそこから二転三転しながら、最終盤は互いに分将棋へ。

解説陣も「永瀬王座勝ち」とする局面、122手目、金ではなく、122.▽55銀。

122.▽55銀の後、42金~後手玉は寄りだったものの、直後の52飛がエアポケットに入っており、永瀬王座は62飛~で足りないと思われた様子。

指した直後すぐ気が付かれていましたが、時すでに遅し、122.▽55銀としたことが功を奏したか、次の123.▲53馬で形勢が逆転し後手の藤井竜王・名人勝勢へ

永瀬王座は悔しそうに、頭を叩き、掻きむしり、その後138手まで、永瀬王座投了。

第71期王座戦五番勝負第3局

力戦型となり、中盤から徐々に後手の永瀬王座ペース、勝勢へ。

終盤、互いに分将棋となり永瀬王座が66.▽41飛と受けに回ったところで互角、そこから急転直下で先手、藤井竜王・名人ペースへ。

81手まで、永瀬王座投了。藤井竜王・名人の逆転勝利。

第71期王座戦五番勝負第2局

藤井竜王名人の右玉という、珍しいスタートから終盤まで長く難解な互角の将棋。

長い1分将棋の中で、相入玉模様でしたが、持将棋も考えられる状況から見事な寄せで、214手まで、永瀬王座投了。

第71期王座戦五番勝負第1局

中盤まで藤井竜王・名人ペース。

79.▲45桂の局面で互角へ、両者残り時間は25分程度。局面は難解。

解説の渡辺九段は、79.▲45桂の攻めがあまりにも渋滞気味、形勢云々とは別に先手で全く自信がない展開とのこと。

残り時間もなくなり、互いに指し手の精度も落ちてきた中、そこから二転三転しながら終盤でリードを奪ったのは永瀬王座。

最後は1分将棋の中、妙手でペースを掴んだ永瀬王座が150手で激戦を制し、藤井竜王・名人投了。

第81期A級順位戦

研究で序盤から未知の局面へ誘導、竜王の持ち時間を2時間程削り、形勢も永瀬王座ペースへ。

竜王は、指しやすい局面はなく、手応えはなかったとのこと。永瀬王座の完勝。

129手まで、藤井竜王投了。

第11回上州将棋まつり2023

先手の方が少し出遅れてしまい、一時は後手優勢でしたが、86.▽12桂打~形勢逆転。先手に桂馬を与えて反撃の手段を増やしてしまう展開へ。

終盤は秒読みの中、19手詰めを読み切り123手まで、永瀬王座投了。

第2回サントリー将棋オールスター東西対抗戦第4局

中盤戦で永瀬王座の攻防の角を追いやり竜王ペースへ。

取った角を敵陣に打ち込みリードを更に拡大。そのまま74手まで、永瀬王座投了。

竜王の完勝。

第30期銀河戦決勝T2回戦第1局

藤井竜王が一方的に攻めてる展開となり、118手まで、藤井竜王の完勝。

第93期棋聖戦五番勝負第4局

序盤早々前例から外れ(6筋の歩を突き、飛車で取らせる)、永瀬拓矢王座に何もさせない完璧な指し回し、104手まで、完勝。

第93期棋聖戦五番勝負第3局

序盤から猛スピードで手が進み、互角を保っていましたが、藤井棋聖が巧みに攻めて優勢を拡大。

73.▲22歩打の対応が難しかった様子、次手74.▽33桂~は先手ペースとなり、そのまま145手まで、藤井棋聖勝利。

第93期棋聖戦五番勝負第2局

最終盤まで評価値は二転三転、その後評価値は互角程へ、、藤井棋聖の残り時間は2分、永瀬王座15分。

114.▽13玉で一気に評価値が下がったところで、永瀬王座が飛車を取る115.▲31金が毒饅頭。

そこから、退路封鎖の116.▽97銀捨て、急転直下で後手ペース。

飛車の横利きを止めた、120.▽48歩打が決めてとなり、138手まで、藤井棋聖勝利。

第93期棋聖戦五番勝負第1局

1局目(相掛かり)、2局目(角換わり腰掛け銀)で異例の2回目の千日手が成立。

3局目は、藤井棋聖ペースで進んでいましたが、89.▲86角打(AI推奨が67桂打)~永瀬王座有利へ、そのまま114手まで、藤井棋聖投了。

2022/1/16※第15回朝日杯本戦

59.49龍(AI推奨が29龍)~永瀬王座ペースになり、80.▽95桂(AI推奨が69金打)で更に形勢差が開き、永瀬王座有利。そのまま109手まで、藤井竜王投了。

2021/11/24※第71期王将戦挑決L

58.▽36歩打(AI推奨が81飛)~誤算があったか??永瀬王座ぺースへ、そのまま101手まで、藤井竜王投了。

2021/11/3※第42回JT杯

藤井三冠の完勝。

2021/8/30※第34期竜王戦挑決T三番勝負第2局

34.▽74飛(AI推奨は24歩、33桂、86飛etc)で、形勢が藤井二冠ペースになっていましたが、次手83角打を継続手としてAIが推奨、藤井二冠は35.▲48玉とされて自陣整備へ、形勢は一旦互角。

36.▽88歩打(悪手ではありませんが、AI推奨は84飛だと)~38.▽14角打で形勢差が開く展開、そのまま77手まで永瀬王座投了。

局後、形勢が悪くなってから88歩打を悔やまれたとのこと、ここで違う手を指さなければならず、その後形勢が悪くなるという判断がここで出来ていなかった・・と悔やまれていました。

2021/8/12※第34期竜王戦挑決T三番勝負第1局

相穴熊~互角を保ったねじり合いが続き、終盤はお互い1分将棋で184手まで、永瀬王座投了。

2021/5/31※第6期叡王戦挑決T

永瀬王座の研究手~永瀬王座有利な展開になりましたが、中盤~局面が紛れていき互角へ。

終盤戦に入るころには、局面が複雑化し互いに分将棋。

形勢が互角辺りを保っていましたが、113.▲24金打で藤井二冠優勢。

そのまま138手まで、永瀬王座投了、激戦でした。

2020/10/26※第70期王将戦挑決L

永瀬王座の3年ぶりの四間飛車。

永瀬王座の構想が素晴らしく、藤井二冠指しやすい局面から永瀬王座指しやすい展開へ。

その後永瀬王座に誤算があったか、藤井二冠の69.▲46歩打~藤井二冠がペースを握りますが局面は難解。

107.▲62金~再び永瀬王座ペース。

千日手筋もちらほら出ますが、終盤戦、千日手を打開してからは永瀬王座勝勢。

そのまま164手、藤井二冠投了となりました。

王将戦挑決L、0勝3敗、挑戦ならず、残留できるかどうか?

2020/9/15※第28期銀河戦決勝T


永瀬二冠(当時)が32.▽66桂打~34.▽34角打の構想で優勢を築きますが、40.▽88馬の悪手~藤井二冠ペース。

※佐々木勇気七段は「らしくないですね・・」とのこと

1手バッタリでそのまま藤井二冠押し切るか?と思われましたが、57.▲43銀打~再び後手の永瀬二冠(当時)ペースへ。

58.▽67角の勝負手~、60手目、78龍ならそのまま永瀬二冠(当時)ペース。

60.▽88飛成~再び藤井二冠ペースへ。

※ソフト推奨は78龍

序盤からうまく指して、勝てそうな局面も多かったですが、75手まで永瀬二冠(当時)投了。

銀河戦藤井永瀬形勢
※ご参考程度にどうぞ

2020/6/23※第61期王位戦挑決

解説の天彦九段も「これぐらいのクオリティの将棋を指せれば、勝てることも多い」と言われるくらい、非常に難解な将棋。

終盤まで互いに譲らない拮抗した状態が続く中、一瞬のスキをついた95.▲57桂打で藤井七段(当時)が抜けだし優勢へ。

127手で永瀬二冠(当時)投了。

2020/6/4※第91期棋聖戦挑決T

中盤まで永瀬二冠(当時)ペース。

藤井七段(当時)の54.▽36銀の応手55.▲69玉~藤井七段(当時)ペース。

68.▽84歩打で形勢差が縮まるも、永瀬二冠(当時)の77.▲26馬~は藤井七段(当時)勝勢へ。

最後は綺麗に寄せ100手まで、永瀬二冠(当時)投了となりました。

2017/3/19※炎の七番勝負

藤井四段(当時)にとって、本局のゴキゲン中飛車は想定外だった様子。

AbemaTV企画『炎の七番勝負』で唯一、藤井四段(当時)が敗戦した対局です。

居飛車党の永瀬七段は、元々は振り飛車党。

永瀬六段(当時)の棋風を、藤井四段(当時)は居飛車党で深い読みに特徴があるという印象を持っていたようです。

近年は居飛車の採用が多くなっていて、藤井四段(当時)もゴキゲン中飛車は予想していなかったことを局後の感想でも言われていました。

対する永瀬六段(当時)は藤井四段(当時)の棋譜データがなかったので、自分の土俵で戦える戦型を選んだとのこと。

藤井四段(当時)は超速▲3七銀戦法で対抗。

予想外の戦型に藤井四段(当時)が序盤から時間を使う展開へ。

永瀬六段(当時)がまだ3分しか消費していないところで、藤井四段(当時)は1時間の持ち時間の半分を消費することになり、中盤のねじり合いの時点で秒将棋へ。

本局は、そのまま114手まで永瀬六段(当時)の完勝となりました。

中継情報

携帯アプリ中継あり
AbemaTVでも14:45~放送あり