第6期叡王戦挑決T、藤井聡太二冠vs行方尚史九段の対局模様をまとめています。

5/31に「永瀬王座vs佐々木勇気七段の勝者」と対局が決定。
 
スポンサーリンク ▼本局形勢▼80手まで※行方九段投了
藤井 行方 叡王戦 形勢
※AIによる評価値は、とても人間には見えない着手も含む数字であることをご理解の上、ご参考程度にどうぞ

目次

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藤井聡太二冠VS行方尚史九段、対局結果と棋譜

先手番:行方尚史九段

後手番:藤井聡太二冠

戦 型:矢倉
後手番矢倉:22勝3敗-勝率:0.8800

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~20手目

 
20手目
残:行方九段⇒2:49 藤井二冠⇒2:57

~40手目

21.▲58金
22.▽54歩
23.▲24飛
24.▽22銀
25.▲28飛
26.▽73桂
27.▲68玉
28.▽52玉
29.▲36歩
30.▽23銀
31.▲37桂
32.▽72金
33.▲38銀
34.▽63銀
35.▲47銀
36.▽26歩打
37.▲29飛
38.▽34銀
39.▲79玉
40.▽25桂

 
深浦九段「49飛とか打たれないように、27.▲68玉としたのが序盤での行方九段のポイントでしたね。」

昼休前※34手目棋譜
34手目
残:行方九段⇒1:45 藤井二冠⇒2:21

昼食は、行方九段「国産牛のしょうが焼き弁当」、藤井二冠「銀だら西京漬け焼き弁当」、共に金兵衛。

深浦九段「36.▽26歩打でしっかり飛車道を封じて、ここから10手、数十手先手が飛車を使えることがありませんでしたもんね。隠れた藤井王位棋聖の勝因でしたね。」

40手目棋譜
40手目
残:行方九段⇒1:07 藤井二冠⇒1:46

深浦九段「40.▽25桂が機敏でしたよね。わたしは当然81飛だと思っていたので、ただ81飛ですと、▲68銀という予定だったと思いますね。角がぶつかる形にして、いなくなると、26の歩を払えますので、▽89角成、▲同玉、▽21飛、▲35歩、角がいなくなると35歩はめちゃくちゃ厳しいので。▽同銀、▲34歩打、21飛車と回った形を逆用されてしまう感じ。」

~60手目

41.▲同桂
42.▽同銀
43.▲35歩
44.▽65桂
45.▲56桂打
46.▽22角
47.▲66銀
48.▽61玉
49.▲96歩
50.▽86歩
51.▲同歩
52.▽94桂打
53.▲87金
54.▽86桂
55.▲85歩打
56.▽同飛
57.▲97桂
58.▽82飛
59.▲84歩打
60.▽36歩打

 
40.▽25桂まで。

深浦九段「▲同桂、▽同銀・・▲45歩とするのも、53角と引いてくれれば意味がありますけど、55角と頑張られたときに角成が防ぎ辛いってことがありますよね。▲48金と寄るしか形よく出来ませんから、かなり不安ですよね。玉頭攻められそうなときに、金が離れるワケですからヤリ辛い。」

「1手パスして(▲56歩)、角を消したとしても、この瞬間▽65桂として襲い掛かってきますよね。銀が66でも68でも最後、▽88角成、▲同玉、▽84桂打・・76の地点が受からない形は・・しかも先手先手で攻められるし、急に後手の調子が良くなる。」

「ひとつは▲35歩突いちゃう。▽同角取ってくれれば、いつでも39飛と飛車を寄って裁く筋がありますし、そのタイミングで▲68銀と引けば、11の香車取りがね、まだ引いてないですけど、▽81飛と引いて、11の香車を守ったときに、▲39飛として裁いていけば・・まずまず、先手も十分面白い展開ですね。」

「▲35歩の狙いは放っておくと、次に▲37桂の狙いがありますね。▽14銀と引かせて▲26飛と走れば。桂馬まで実現すれば、25の銀と26の歩を咎めたことになりますけど、ただ、▽65桂と桂馬を跳ねたりして、さっき銀引いたから▲66銀と上がりますけども、▽84桂として、場合によっては▽86桂とする手もある。▲同歩、▽同歩と進んだときに、▽87歩成が受け辛い。」

⇒43.▲35歩とされました(AI推奨は96歩など)、ここ~藤井二冠ペース(AbemaAIは57-43)。

深浦九段「この辺り~形勢が後手に触れていたようですが、35歩も筋ですし、まさかこんな攻めをしてくるとは想像し辛いので、これは藤井王位棋聖を褒めるべき、というかすごい攻めの繋げ方だったと思いますね・・」

44.▽65桂まで。

高見七段「▲37桂として、▽14銀と逃げる手もあるかもしれませんが、▽77桂成として銀を取って、▲同角、▽同角成、▲77桂、▽95桂打、▲25桂、▽87桂成・・・25の桂馬の犠牲がうまいですよね。取らせて攻めを遅らせるという・・やっぱり▲56桂ですか・・」

高見七段「端歩をお互い突いてないんですけど、この突いてない展開が今の時点では藤井さんにプラスになっていますね。▽95桂打が痛い。端歩を突いて受けてくれるなら、今突きたいけど、絶対受けてくれないから・・」

48.▽61玉。

深浦九段「48.▽61玉だと後手玉を詰ましにくいのが20手、30手先に現れる。これは感覚的なものだと思いますけど、嗅覚がさすがだったと思います。」

54.▽86桂まで。

ここ~どう攻めを繋げるのか?アベトナのチームメイトとして解説をと頼まれる高見七段※骨折中。

高見七段「チームメイトって解説の義務まで発生するんですね 笑 ▲85歩、▽同飛、▲97桂、▽81飛、▲84歩、ここで敢えて▽36歩打とか。歩を手にしたので揺さぶってみようと・・ただ、今自分は精神的にも揺さぶられているので・・笑 盤面で揺さぶり返そうかなという作戦です。」

「▲38銀とか辛抱されても、本当はどうなるか分からないんですけど」

深浦九段「自分こういう攻め苦手なんですよ、ちょっと危うく見えますね・・見えないから出来ないよね、そもそも」

高見七段「歩を指したのは部分点欲しいんですけど」

深浦九段「将棋、部分点とか無いから」

高見七段「さすが・・厳しい・・」

深浦九段「佐々木大地に見えてきて・・笑」

高見七段「大地くん、こういうこと言われて強くなってるんだろなと思って」

深浦九段「ごめんごめん、間違えちゃった 笑 部分点は要らない」

高見七段「教えてください」

深浦九段「いやいや、知らないぜ、でも藤井さん超えたくないですか?先に見つけて・・・ほらねって言いたいじゃないですか。」

高見七段「整いました・・・▲84歩に、ここで▽36歩打、▲38銀、▽85飛、▲97桂、▽77桂成、▲同角、▽35飛でどうでしょう?先手、桂馬もあるし、これで成立してるかどうかは微妙ですけど・・」

深浦九段「すみません、無理強いしちゃって 笑」

高見七段「いやいや、たまにテストしてください 笑」

60手目棋譜
60手目
残:行方九段⇒0:00 藤井二冠⇒0:17

~80手目

61.▲38銀
62.▽55歩
63.▲同銀
64.▽75歩
65.▲66角
66.▽76歩
67.▲同金
68.▽54歩打
69.▲64桂
70.▽55角
71.▲同角
72.▽同歩
73.▲72桂成
74.▽同飛
75.▲73歩打
76.▽同飛
77.▲74歩打
78.▽87角打
79.▲86金
80.▽74飛

 
70.▽55角まで。

深浦九段「いやー、自分今静かに感動しています。飛車、角、桂、桂でどうやって攻めを続けるんだろうと思ってたんですけど、64.▽75歩で続くんですね・・なんちゅう将棋を指すんでしょう・・どっからこれ知ってたんですかね・・ここまで繋げられることを。恐ろしいな。」

先日・・(藤井二冠に)勝たれてますけども・・(;´∀`)

深浦九段「64.▽75歩~86歩、同歩、94桂が藤井さんには見えてた。もう芸術ですよね。▲同歩、▽77歩と垂らせば、歩成~の詰みで、55銀が浮く、86の桂馬を取って、55角の後手が必勝形。なので▲86金で桂馬は取れる、▽76歩の取りこみが厳しい、▲78歩打と受けたとしても、▽77歩成、▲同歩で▽55角。なので、▽76歩と出られたら▲同金。ただ、▽77歩打として、これが銀取りなので、▲66銀と逃げますけど、▽87歩打、▲77角成としても角桂交換になると先手は厳しい。」

「ので、65.▲66角としたんですけど、次の68.▽54歩打で銀の逃げ場所がない。▲64銀が普通、▽66角、▲同歩、▽64銀、▲同桂として、▽87角打が厳しい。▲86金、▽77桂成で完全必至。この▲64銀が普通ですけど、これが指せないところに追い込んだのが、藤井さんのうまさですよね。」

「ので、69.▲64桂と勝負に出ましたが、70.▽55角で銀取り、この局面で勝負あり。」

深浦九段「厳しいですけど、これは読み負け、ちょっと棋士にとっては厳しい負け方ですね。」

深浦九段「行方さんも駒損する駒組してないんですけど、なぜか損してる・・わたしもショックです。」

77.▲74歩打まで。

深浦九段「普通は、▽同飛、▲83角打、▽62玉と上がって74角成、同銀まで角をしっかりもらって、詰めろが続かないので、しっかり1手勝ということを見るんですけども、ここでくるんですね・・(78.▽87角打)」

「相手玉の迫り方と、自玉の詰む・詰まないのスピードがちょっと・・すごく藤井さんの良さが出てましたね。」

投了図
80手目
 
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藤井聡太二冠の次対局※5/31vs永瀬王座vs佐々木勇気七段の勝者(叡王戦)

↓以下は、叡王戦の次対局となりました

【6月3日】vs稲葉陽八段【第80期B1順位戦】

対局相手
クラス別戦績
過去対局
持ち時間
各6時間
時間別戦績
6時間棋戦通算40勝1敗(0.9756)
対局場所
開始時間
10:00~
トーナメント表

中継情報

携帯アプリ10:00~
AbemaTV恐らく9:30~
※解説者:未定
※聞き手:未定

過去対局

※※横にスクロールできます※※

日付 勝敗 対局時クラス 手番 戦型 手数 棋戦名 棋譜
2020/7/4 A 角換わりその他 134手 第28期銀河戦本戦 棋譜
2020/3/24 A 角換わり腰掛け銀 129手 第61期王位戦紅白L 棋譜
2019/1/20 A 角換わり腰掛け銀 98手 第12回朝日杯本戦 棋譜
2017/11/13 A 相掛かり 169手 第67回NHK杯 棋譜

 
となっております.+:。(´ω`*)