第31期竜王ランキング戦5組、藤井聡太六段VS船江恒平六段戦。
本日初手合、藤井六段は同時に七段昇段も注目されている対局です。
報道陣の数が・・・多^^;50人だそうでした。
竜王戦4組昇級、7段昇段となりました。
目次
藤井聡太六段VS船江恒平六段、対局結果と棋譜
先手番:船江恒平六段後手番:藤井聡太六段戦 型:角換わり
1手~20手目棋譜
1.▲7六歩
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11.▲7七同銀
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2.▽8四歩
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12.▽2二銀
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3.▲2六歩
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13.▲3八銀
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4.▽8五歩
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14.▽3三銀
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5.▲2五歩
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15.▲2七銀
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6.▽3二金
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16.▽7四歩
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7.▲7七角
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17.▲2六銀
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8.▽3四歩
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18.▽7二銀
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9.▲6八銀
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19.▲1五銀
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10.▽7七角成
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20.▽4五角
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両者得意の角換わりへ、船江六段は棒銀模様です。
お互い想定範囲内か、指し手がパタパタと進み、船江六段の15.▲2七銀(角換わりからの棒銀)を見て藤井六段が考慮(42分)。
※船江六段、7八金省略
出典:連盟モバイル
藤井六段、16.▽7四歩、船江六段は研究範囲内か、3分の考慮で17.▲2六銀。
お互い意地の張り合いのような状態です・・・7五歩なども予想され、荒れそう・・・
藤井六段、22分の考慮で18.▽7二銀とされ、一端、船江六段の仕掛けを見送ります。
船江六段は一直線、19.▲1五銀。
船江六段の用意された新手に、藤井六段が少しずつ時間を使いながら対応をされているような展開で、銀交換(1五銀、3三銀)をすることができれば、先手(船江六段)成功という展開になりそうです。
もし、そうなるとどこかで代償を求めたいところですが、藤井六段ここで得意の角を使って対応(20.▽4五角)。
20手目棋譜
出典:連盟モバイル
この局面で昼休へ。
21手~40手目棋譜
21.▲7八金
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31.▲1一角成
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22.▽1四歩
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32.▽3三桂
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23.▲2四歩
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33.▲2一馬
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24.▽2四同歩
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34.▽4二金
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25.▲2四同銀
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35.▲2三歩
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26.▽2七歩
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36.▽2八銀
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27.▲4八飛
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37.▲4六歩
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28.▽2四銀
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38.▽6三角
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29.▲5五角
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39.▲2二歩成
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30.▽6四歩
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40.▽2五桂
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船江六段は21.▲7八金として、一端は藤井六段の主張が通る展開へ。
しかし、船江六段はその後銀(1五の銀)を下げることはなく強く23.▲2四歩。
藤井六段は30.▽6四歩としたことで、角の逃げ道ができました。
そして銀香交換へ。
出典:連盟モバイル
船江六段としては、1一の馬を今後活躍させたい&4八の飛車が気になる(動けない)ところでもあります。
※形勢は互角
解説の橋本八段は、30.▽6四歩前提ですが、こうなるならば4八ではなく、6八飛の方がもっと飛車を動かせたかも・・・とのこと。
藤井六段は有力視されていた2八銀。
出典:連盟モバイル
これが一番確実で厳しいということでしょうか。
ミヤネ屋では師匠の杉本七段(現八段)が『藤井が船江六段の攻めをほとんど受けないで真っ向から攻め合いに持ち込んだんです。それが船江六段の意表を突いています。終局が思ったより早いかもしれません。』とのことです。
ほぼ互角で、後手の藤井六段の方がやや指しやすい?という局面、船江六段はそれを察知してか長考へ(67分)。
船江六段は、藤井六段の大駒の働きを抑えつつ形勢を保ち、優勢を築いていく必要があります。
藤井六段は2九銀が検討されるなか、4五桂と桂馬を跳ねます。
40手目棋譜
出典:連盟モバイル
41手~60手目棋譜
41.▲4五歩
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51.▲3一馬
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42.▽3五銀
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52.▽6五桂
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43.▲3六歩
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53.▲6六香
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44.▽3七桂成
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54.▽7三桂
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45.▲3七同桂
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55.▲5六桂
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46.▽3七同銀成
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56.▽4五角
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47.▲6八飛
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57.▲6四桂
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48.▽4六銀
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58.▽6三金
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49.▲3二と
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59.▲7二桂成
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50.▽5二金寄
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60.▽7二同金
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船江六段は飛車を縦に逃げようと41.▲4五歩とされますが、藤井六段は自然な遊び銀の活用で、42.▽3五銀。
終盤に入りかけ、勝負所です。
後手の藤井六段が優勢を築きそうな展開へ、先手は玉飛接近が痛そう。
出典:連盟モバイル
そして藤井六段、52.▽6五桂と銀取へ。
※攻めというより、力をためるような手
ここで夕休へ、そして夕休後に35分の考慮で勝負手の53.▲6六香。
※気づきにくい妙手で、藤井六段6五の桂を香で取られては辛いところ
出典:連盟モバイル
藤井六段は46分の長考で54.▽7三桂とされ、船江六段が得した展開へ。
※▲6六香⇒△7三桂⇒▲5六桂で、形勢差が少し縮まったような印象
Abema解説の橋本八段は、最初は元気のない1手だと思っていましたが、(△7三桂が)悪手ではなく次善手のような手で、点差は縮まったようには見えるけれど、リードを保ち負けにくくなっている。確認して長考した1手なのでは?とのこと。
56.▽4五角で6四桂が予想されたため、どうか?というところでしたが、この6三金が冷静な1手(受け)とのこと。
出典:連盟モバイル
60手目棋譜
61手~80手目棋譜
61.▲4二馬
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71.▲7三桂
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62.▽6二玉
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72.▽4八銀
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63.▲5二銀
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73.▲
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64.▽7一玉
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74.▽
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65.▲6三銀成
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75.▲
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66.▽6三同金
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76.▽
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67.▲5一馬
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77.▲
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68.▽3六角
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78.▽
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69.▲6五香
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79.▲
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70.▽6五同桂
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80.▽
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船江六段、馬を引きます(61.▲4二馬)・・・攻めが続き辛く、藤井六段優勢です。
藤井六段は64.▽7一玉と早逃げへ。
72手まで。
船江六段投了となりました。
投了図
出典:連盟モバイル
出典:AbemaTV
この対局に勝利したので、竜王戦ランキング戦2期連続昇級となり、七段昇段。
そして船江六段は昇級者決定戦にまわります。
決勝進出者2名と昇級者決定戦の優勝者2名が4組に昇級となっております。
次戦はランキング戦決勝となります。
本局、藤井六段完勝です。
技巧2による形勢判断
※御参考程度にどうぞ
藤井聡太六段と船江恒平六段の対局前後のコメント
藤井六段
『26手目、2七歩に対して飛車を避けられてしまい、打った角が負担となってしまった辺りは苦しい展開でした。』
『7一玉辺りで良くなったかと思いました。』
『こんなに速いペースで昇段できるとは思っておらず、目の前の一局一局に全力で打ち込んできたものが昇段という形で現れてうれしいです。』
『5組の決勝に向けて気を引き締めたいです。王座戦に関してもこれから厳しい相手が続くので、挑戦は意識していません。少しでも上にいけるように頑張りたいです。』
船江六段
村)観戦記担当の船江恒平六段に、先日の藤井聡太七段との対局について聞きました。「どうやって指すのかわからないところから、うまくまとめられて負けた。身をもって強さを感じた」と話しています。
第76期将棋名人戦七番勝負:朝日新聞デジタル https://t.co/NjudF37W37 pic.twitter.com/6GZ380lFip— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) May 30, 2018
『2八銀の応手が難しかった。37.▲4六歩は甘かったかなと思います。』
角換わりからの棒銀戦法はプロ棋士の間では、あまり指されない戦法のようで、船江六段のVS藤井六段戦対策だったようです。
2八銀は船江六段も見えていたようで、なんとか応手できるだろう・・・!と思われたようですが、やはりその後の展開が難しかったとのことでした。
52.▽6五桂~53.▲6六香の辺りはちょっとヒヤヒヤしましたが、船江六段の攻めもうまく続かず、藤井六段は一旦受けに回り、解説の橋本八段も54.▽7三桂~58.▽6三金まで構想通りだったのでは?とのこと。
船江六段、藤井六段、対局お疲れ様でした(*'ω'*)
藤井六段、七段昇段おめでとうございます!
藤井聡太六段の次の対局予定はいつ??
竜王ランキング戦決勝VS石田五段戦は6/5です☆
対局者確定&日程が決定していない対局
- 第68回NHK杯(今泉健司四段戦)
- 第49期新人王戦(八代弥六段戦)
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※↑6/1
となっております.+:。(´ω`*)