プロ棋士の昇段。

基本的に段位は、順位戦のように成績不振で降級になるというようなことはありません。

昇段すれば、成績不振があっても段位はそのままです。

順位戦の昇級が棋士力を表すとすれば、段位は将棋界に対する実績と功労の両面の意味合いの方がが強いと思われます。

藤井聡太二冠が昇段するにはどれくらいの活躍が必要なのかをざっくりとまとめてみました。

追記:2021年7月3日に棋聖戦五番勝負、3-0で防衛、史上最年少九段誕生です。
 
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目次

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藤井聡太二冠が九段になるには?

藤井二冠、史上最年少九段までのリミットは約3年です。

タイトルをすでに2期獲得している藤井二冠にとって、もっとも早く九段昇段を実現する可能性が高いのは「タイトル3期獲得」。

タイトル3期獲得(王将戦)がなされるかと思いましたが、今期リーグ陥落。

その他の九段昇段条件は竜王2期獲得、名人1期獲得、八段昇段後公式戦で250勝が必要です。

※どれかひとつを満たすことができた時点で昇段

来年度はタイトルを保持している棋聖戦と王位戦で防衛戦をたたかうことは確定。

どちらかで防衛を決めれば、タイトル3期達成です。

藤井二冠の誕生日は7月19日。

棋聖戦五番勝負で早めの防衛となれば、18歳のうちに九段昇段となります♪

ちなみに第92期棋聖戦第4局が’21年7月19日に予定されています^^

第4局に持ち込まずに防衛することができれば、18歳九段昇段、第4局に持ち越せば19歳九段昇段です。

昇段には棋戦での活躍と勝数がポイント

プロ棋士の昇段には、将棋連盟の規定があり、その規定に達すれば昇段ということになります。

昇段の条件は大きく分けて2つ。
 

昇段の条件

  • 棋戦での活躍
  • もうひとつは勝数

 
勝数は数を重ねると自ずと昇段します。
※勝数を重ねるのも勿論大変です(^^;

棋戦での活躍は勝数に関わらず、急に昇段できます。

渡辺明名人を例にとるならば・・・

八段から九段までは13日。竜王戦昇段制度改正によるところもありますがスピード昇段。
そんなこともあり得ます。

※藤井二冠は五段から六段まで16日、六段から七段までは90日
 

藤井聡太竜王
昇段歴
年齢昇段日各段位在籍日数
6級
奨励会入会
10歳2012年9月22日636日
初段11歳2014年6月21日251日
二段12歳2015年2月28日232日
三段
※リーグは2016年4月~
13歳2015年10月18日348日
四段14歳
(最年少)
2016年10月1日487日
五段15歳2018年2月1日
※順位戦C1昇級
15日
六段15歳
(最年少)
2018年2月17日
※朝日杯優勝
89日
七段15歳
(最年少)
2018年5月18日
※竜王戦連続昇級
824日
八段18歳
(最年少)
2020年8月20日
※タイトル2期
316日
九段18歳
(最年少)
2021年7月3日
※タイトル3期
継続中

 

プロ棋士の昇段条件

 
プロ棋士の昇段条件
各段と昇段条件
※※表は横にスクロールできます(スマホ)※※

九段
竜王2期獲得
名人1期獲得
タイトル3期獲得
八段昇段後公式戦で250勝
八段
竜王1期獲得
順位戦A級昇級
七段昇段後公式戦で190勝
タイトル2期獲得※'18.6.1~
七段
竜王挑戦
竜王戦1組昇級
竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝
順位戦B級1組昇級
タイトル1期獲得
六段昇段後全棋士参加棋戦優勝
六段昇段後公式戦で150勝
六段
竜王戦2組昇級
竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝
順位戦B級2組昇級
五段昇段後にタイトル挑戦
五段昇段後に全棋士参加棋戦優勝
五段昇段後に公式戦120勝
五段
竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝
順位戦C級1組昇級
タイトル挑戦
全棋士参加棋戦優勝
公式戦100勝
四段
三段リーグの優勝・準優勝
三段リーグ次点2回

 
上記のどれかに該当した時点で昇段となります(*''ω''*)

※藤井二冠は、C級1組昇級で五段へ('17.2.1)、朝日杯優勝で六段へ('18.2.17)、竜王ランキング戦2期連続昇級で七段へ('18.5.18)、タイトル2期獲得で八段('20.8.20)となりました。
 
それ以外の特例として・・・

類まれなる成績を挙げた場合は、理事会にて審議の上、昇段を決定することがある

この類まれなる成績という箇所が抽象的ではありますが・・

類まれなる成績(抜群の成績)で昇段になった棋士

 

こんな人たち

  • 屋敷伸之五段(当時)
  • 棋聖位獲得・防衛により六段へ昇段

  • 郷田真隆四段(当時)
  • タイトル3度挑戦、王位を奪取し五段に昇段

  • 阿久津主税六段(当時)
  • 第2回朝日杯将棋オープン戦の準決勝・決勝戦で優勝により七段へ昇段

  • 菅井竜也四段(当時)
  • 第5回大和証券杯ネット将棋・最強戦で優勝により五段へ昇段

などが過去にあります。

竜王ランキング戦や順位戦とは??

竜王ランキング戦とは棋士力ごとに1組~6組で組み分けしてする対局のこと。

順位戦とは棋士力ごとにA級~C級2組で組み分けしてする対局のこと。

藤井聡太二冠は竜王戦来期~2組で今期順位戦はB級2組。

 
昇段は基本的に1段ごとで1年に1回以内
 

昇段規定変更

  • 2006年度~竜王戦の規定での昇段のみ、飛びつき昇段や1年以内の2度以上の昇段が認められるように
  • 2009年度~(竜王、名人以外)タイトル1期獲得の規定による七段昇段、タイトル3期獲得の規定による九段昇段が認められるようになっています
※竜王戦の4組から6組に在籍の四段が竜王への挑戦者になったときは、五段・六段を飛ばして七段に昇段、竜王位を奪取すれば、八段に昇段ということもありますが、過去事例はありません

 
ちなみに渡辺明名人はこの竜王戦の規定によっての昇段者です。六段当時に竜王挑戦で七段へ昇段、竜王を奪取し八段、防衛で九段。

棋戦での活躍は所謂昇段への近道とも言えます。

全棋士参加の棋戦とは??

棋戦には全棋士参加型のものと、そうでないものがあります。

上記昇段条件(五段~七段)での全棋士参加の棋戦は・・・
 

全棋士参加型棋戦

  • 朝日杯オープン戦
  • NHK杯
  • 銀河戦
  • の3つが該当します

この棋戦のどれかで優勝することができれば昇段となります。
※藤井二冠の場合は、五段当時に①番の朝日杯オープン戦優勝を満たし、見事六段へ昇段されました

ざっくりとまとめてみました(*''ω''*)