第80期B1順位戦、第2局、藤井聡太二冠vs稲葉陽八段の対局模様をまとめています。
スポンサーリンク ▼本局形勢▼165手まで※藤井二冠投了
※AIによる評価値は、とても人間には見えない着手も含む数字であることをご理解の上、ご参考程度にどうぞ
目次
藤井聡太二冠VS稲葉陽八段、対局結果と棋譜
先手番:稲葉陽八段後手番:藤井聡太二冠戦 型:角換わり腰掛け銀
角換わり後手番:後(27勝7敗-勝率:0.7941)
~20手目
~40手目
21.▲68玉
|
22.▽63銀
|
23.▲36歩
|
24.▽73桂
|
25.▲37桂
|
26.▽42玉
|
27.▲96歩
|
28.▽94歩
|
29.▲16歩
|
30.▽14歩
|
31.▲29飛
|
32.▽62金
|
33.▲48金
|
34.▽81飛
|
35.▲66歩
|
36.▽54銀
|
37.▲56銀
|
38.▽52玉
|
39.▲79玉
|
40.▽42玉
|
~60手目
41.▲45桂
|
42.▽22銀
|
43.▲75歩
|
44.▽同歩
|
45.▲53桂成
|
46.▽同玉
|
47.▲74歩打
|
48.▽44歩
|
49.▲73歩成
|
50.▽同金
|
51.▲65歩
|
52.▽同歩
|
53.▲69飛
|
54.▽74角打
|
55.▲45歩
|
56.▽55歩打
|
57.▲46桂打
|
58.▽56歩
|
59.▲54桂
|
60.▽同玉
|
~80手目
61.▲56歩
|
62.▽53玉
|
63.▲55歩
|
64.▽62桂
|
65.▲54歩
|
66.▽同玉
|
67.▲76歩打
|
68.▽33銀
|
69.▲75歩
|
70.▽83角
|
71.▲66歩
|
72.▽43玉
|
73.▲65歩
|
74.▽68歩打
|
75.▲59飛
|
76.▽58歩打
|
77.▲同金
|
78.▽86歩
|
79.▲同歩
|
80.▽65角
|
お昼前※67手目棋譜
残:稲葉八段⇒5:34 藤井二冠⇒5:20
第78期A級順位戦、渡辺三冠vs広瀬八段戦と同じ進行(結果は先手、渡辺三冠勝利)、藤井二冠の68.▽33銀で前例を離れました。
70.▽83角まで。
次手、AI推奨は84銀、24歩打となっていて・・・
及川六段「▲24歩、同歩、として23に空間を作っておいた方が後々得なんではないか?ということでしょうね・・これは善悪わたしには分かりません。▲84銀は、取るしかないので同金、▲73角打、これで84金取りと62桂の両取り、銀を渡しますけど、どちらか取り返せる形なので、いいでしょうということですね。」
「例えば▲84銀打、同金、▲73角打、75金、▲62角成、うーん、わかりません、難しすぎる・・笑。・・・通常の考え方はできないです。この局面で互角ってすごいですよね。」
「後は、▲66歩。先手は69飛、持ち駒の角、銀じゃ攻めが足りないので、77銀を攻めに活用したいということですね。もし同歩取ってくれれば、▲66銀、次に▲76角の厳しい手が・・常に銀が使える形になる。ただしこれは、▲65歩と次取っても、ちょっと甘い感じしますよね。同角とは取ってくれないので、遅いけれども確実な手という感じですね。」
「▲24歩突いたら研究だね。間違いない。意味が分からない。玉が22にいたら分かるけど、これは難しい手。ソフトは84銀の組み立てで攻めて行くのが良いと見てます。」
⇒71.▲66歩で、形勢が若干、藤井二冠へ。
※インタビューにて『しばらく定跡の進行が続いたんですけど、71.▲66歩と合わされたのが、こちらの予想にない手で、こちらが薄い玉形で、先手がそれを抑え込めるかどうかという展開だったんですけど、ちょっと71.▲66歩で逆にこちらの70.▽83角が抑え込まれて使えなくなってしまう懸念も出てきたので、ちょっとどういう方針で指せばいいのか分からなくなってしまった気がします。』
76.▽58歩打※AI推奨は一応、54歩、54銀etc、ここで再び互角へ。
76.▽58歩打、次手は同金が有力、中村七段「同金の味があまりにも良いので、藤井王位・棋聖がそうさせる手を指してきたのが不気味ですよね・・」とのこと(;'∀')AI推奨は同金。
夕休前※76手目棋譜
残:稲葉八段⇒4:08 藤井二冠⇒2:23
78.▽86歩で攻めを選択※AI推奨は45歩、形勢が稲葉八段ペースへ。
~100手目
81.▲68金右
|
82.▽57歩打
|
83.▲同飛
|
84.▽56銀打
|
85.▲59飛
|
86.▽67歩打
|
87.▲同金左
|
88.▽同銀成
|
89.▲同金
|
90.▽42金
|
91.▲66歩打
|
92.▽54角
|
93.▲55歩打
|
94.▽45角
|
95.▲76角打
|
96.▽52玉
|
97.▲54歩
|
98.▽同桂
|
99.▲56銀打
|
100.▽58歩打
|
83.▲同飛まで。
佐々木大地五段「先手が勝ちやすいのは確か。玉の堅さ、負の枚数、先手は嬉しいところで使うことができますし、5筋6筋なんて歩使って技ができそうですし、そういうところで、先手勝ちやすいという所ですね。」
「後手としては、何とか57の飛車を抑え込みたいという所。54歩とかで受けるのか、それとも56銀と強く先手を取りに行くのかという所ですね。56歩と打つ手で済めばいんですけど、67飛と寄られたときに角取り、54角と逃げると、62飛成と桂馬取られてしまいますから、歩が無いので受け方が難しくなりましたね。ひと目は56銀と先手を取って受けたいところです。」
「56銀に対しては、▲76角打と踏み込んだり、57銀と飛車を取ってくれたら、▲65角と角を取って、54歩、▲57金と戻して、これは先手が銀1枚入手して駒得になりますし、飛車取られて打たれちゃうんですけど、39飛とか。歩が効くんで▲69歩打としたり、▲88玉と上がっても角が玉頭に効いてますから、先手ペースかなと思いますね。」
「▲76角打には、同角、▲56飛と銀を取って、何としても5筋を通していきたいということですよね。65角と飛車取りに引いた場合は、▲66飛と飛車を寄って、64歩と受けてもらって手番を握るか、▲63歩打で同金、▲72銀とか、角の筋を狙う手もありますから、そういう風にやるか、後は65角に対して、▲52銀と王手して、42玉、▲51銀打、31玉、▲53飛成、敵陣突破と両方狙いがありますから、結構後手としても受け辛いかなと。ここまで行くとうるさい攻めになっている可能性がありますね。」
「後手としては踏ん張りどころ。」
⇒84.▽56銀打。
90.▽42金まで、次手AI推奨は51銀打、66銀打etc、解説でも51銀が有力とのことでしたが、稲葉八段1時間10分くらいの長考で91.▲66歩打とされ、形勢は互角に戻りました。
※インタビューにて『(91.▲66歩打、51銀の比較検討は?)最初は51銀とかも考えたんですけど、まぁちょっと玉が薄いので、結構67金と上ずってるんで、かなりの勝負手になってしまうんで、ちょっと分からなかったですね。』
※インタビューにて『指しやすい局面があったんですが、途中からよく分からなくなってしまったんで、一時期負けにしてしまったかなと思っていました。』
96.▽52玉※AI推奨は65歩、ここでまた稲葉八段ペース。
97.▲54歩※AI推奨は43歩打、ここでまた藤井二冠ペースの互角。
100.▽58歩打※AI推奨は36角、ここで稲葉八段有利。
~120手目
101.▲45銀
|
102.▽59歩成
|
103.▲54銀
|
104.▽48飛
|
105.▲53歩打
|
106.▽41玉
|
107.▲68桂打
|
108.▽64桂打
|
109.▲65角
|
110.▽31玉
|
111.▲43銀成
|
112.▽同金
|
113.▲同角成
|
114.▽32銀打
|
115.▲65馬
|
116.▽58飛成
|
117.▲54角打
|
118.▽同龍
|
119.▲同馬
|
120.▽63金
|
※インタビューにて『(100.▽58歩打に45銀)逃げるんじゃちょっと苦しいかなと思って、本譜がよく分からなかったので、それならちょっと踏み込んでみようかなと。』
105.▲53歩打※AI推奨は78桂打で、若干評価値が縮まりましたが、稲葉八段有利。
115.▲65馬※AI推奨は同馬、ここで形勢が逆転、藤井二冠有利になりましたが、116.▽58飛成でまた逆転、AI推奨は55金でしたが、これはちょっと・・・
※インタビューにて『(印象に残る手は)117.▲54角打~120.▽63金とかやられて、ちょっと取れないのかなぁと、そういうのがあったので、上手く指されてまたよく分からなくなってしまったかなと・・』
~140手目
121.▲87馬
|
122.▽58角打
|
123.▲57金打
|
124.▽69角成
|
125.▲同馬
|
126.▽同と
|
127.▲同玉
|
128.▽53金
|
129.▲87角打
|
130.▽88歩打
|
131.▲同銀
|
132.▽76歩打
|
133.▲同桂
|
134.▽同桂
|
135.▲同角
|
136.▽86飛
|
137.▲71飛
|
138.▽41桂
|
139.▲32角成
|
140.▽同玉
|
~160手目
141.▲87歩打
|
142.▽84飛
|
143.▲65桂
|
144.▽54角打
|
145.▲53桂成
|
146.▽同桂
|
147.▲41銀
|
148.▽22玉
|
149.▲32金打
|
150.▽同角
|
151.▲同銀成
|
152.▽同玉
|
153.▲41角打
|
154.▽22玉
|
155.▲24歩
|
156.▽32銀
|
157.▲43銀打
|
158.▽41銀
|
159.▲同飛成
|
160.▽12金打
|
~180手目
161.▲15歩
|
162.▽45桂
|
163.▲32龍
|
164.▽13玉
|
165.▲25銀打
|
166.▽
|
167.▲
|
168.▽
|
169.▲
|
170.▽
|
171.▲
|
172.▽
|
173.▲
|
174.▽
|
175.▲
|
176.▽
|
177.▲
|
178.▽
|
179.▲
|
180.▽
|
165手まで、藤井二冠投了。
藤井聡太二冠と稲葉陽八段の対局前後のコメント
- 藤井聡太二冠
- 稲葉陽八段
『しばらく定跡の進行が続いたんですけど、71.▲66歩と合わされたのが、こちらの予想にない手で、こちらが薄い玉形で、先手がそれを抑え込めるかどうかという展開だったんですけど、ちょっと71.▲66歩で逆にこちらの70.▽83角が抑え込まれて使えなくなってしまう懸念も出てきたので、ちょっとどういう方針で指せばいいのか分からなくなってしまった気がします。』
『(形勢)71.▲66歩に上手く対応できなくて、あまり、勝機がない対局になってしまったのかなと対局中は思っていました。』
『(角換わり)考えられるのかなとは思っていました。こちらがどの形で指すか決めていたわけではないんですが、難しい変化なのかなと思って指していました。』
『(分将棋辺り)形勢が苦しい時間が長かったので、最初の長考(72.▽43玉に72分)で正しい方向に進められなかったのが、悔やまれる気がします。』
『先は長いかなと思うので、これからも次の1局に全力を尽くしたいなと思います。B級1組は手強い相手ばかりなので、その中で自分の力が足りないところがあるのかなという印象です。』
『棋聖戦は非常に注目して頂ける舞台になるので、良い将棋が指せるように一生懸命指したいと思います。』
『指しやすい局面があったんですが、途中からよく分からなくなってしまったんで、一時期負けにしてしまったかなと思っていました。』
『角換わりには色々対応があるので、この形になったら今日はこれで行こうかなと思っていました。』
『(お昼前までに60数手進みましたが、研究範囲?)そうですね、実践例のある将棋なんで。』
『(お昼~夕方まで9手しか進みませんでしたが、その辺りは)そうですね、その辺り~どうやられても難しいかなというのがあったので。そっからやられてから、考えることになるかなと思っていました。』
『(どの辺りまで研究範囲)68.▽33銀、69.▲75歩で角をどちらに引かれるかで、その辺り~ですかね。本譜で言うと69.▲75歩、70.▽83角辺り~実践の中で考えて行こうと。』
『(58歩、同金に62歩の長考は)同金か同飛かの2択で、どちらもあると思ったんですけど、どちらが良かったのか実際には分からないですかね・・』
『(91.▲66歩打、51銀の比較検討は?)最初は51銀とかも考えたんですけど、まぁちょっと玉が薄いので、結構67金と上ずってるんで、かなりの勝負手になってしまうんで、ちょっと分からなかったですね。』
『(印象に残る手は)117.▲54角打~120.▽63金とかやられて、ちょっと取れないのかなぁと、そういうのがあったので、上手く指されてまたよく分からなくなってしまったかなと・・』
『(100.▽58歩打に45銀)逃げるんじゃちょっと苦しいかなと思って、本譜がよく分からなかったので、それならちょっと踏み込んでみようかなと。』
『(分将棋のところは)自玉も見れる展開になったので、確認というか、ギリギリだなと思って指していました。』
『連敗が続いていて、ひとつ勝てたので、また気を新たに頑張りたいと思います。』
『(本局)相手が強いのはもちろんですけど、自分が連敗が続いていたので、そういう意味では自分の内容を指せたのは良かったと思います。自分の力を出し切らないと厳しい相手だなというのは、思っていました。』
藤井聡太二冠の次の対局予定※6/6vs渡辺名人(棋聖戦番勝負第1局)
【2021年6月6日】vs渡辺明名人【第92期棋聖戦第1局】
対局相手
|
|
クラス別戦績※Aで換算
|
|
過去対局
|
|
持ち時間
|
各4時間
|
時間別戦績
|
4時間棋戦通算81勝24敗、持1(0.7714)
|
対局場所
|
龍宮城スパホテル三日月
|
開始時間
|
9:00~
|
トーナメント表
|
中継情報
10:00~
●AbemaTV8:30~
※解説者:飯島栄治八段、広瀬章人八段
※聞き手:本田小百合女流三段、中村桃子女流初段
●AbemaTVマルチアングル8:30~
その1:将棋チャンネルと同じ放送が視聴可能
その2:藤井聡太棋聖アングル。対局中の一部始終を好きな時に視聴可能
その3:渡辺明名人アングル。対局中の一部始終を好きな時に視聴可能
その4:将棋盤をAIなしで表示、更に対局地会場にいる棋士、女流棋士によるスペシャル企画も実施予定
過去対局
※※横にスクロールできます※※
日付 | 勝敗 | 対局時クラス | 手番 | 戦型 | 手数 | 棋戦名 | 棋譜 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2021/2/11 | ○ | 名人 | 後 | 相掛かり | 138手 | 第14回朝日杯本戦 | 棋譜 |
2020/7/16 | ○ | A | 後 | 矢倉 | 110手 | 第91期棋聖戦五番勝負第4局 | 棋譜 |
2020/7/9 | ● | A | 先 | 角換わり腰掛け銀 | 142手 | 第91期棋聖戦五番勝負第3局 | 棋譜 |
2020/6/28 | ○ | A | 後 | 矢倉 | 90手 | 第91期棋聖戦五番勝負第2局 | 棋譜 |
2020/6/8 | ○ | A | 先 | 矢倉 | 157手 | 第91期棋聖戦五番勝負第1局 | 棋譜 |
2019/2/16 | ○ | B1 | 後 | 雁木 | 128手 | 第12回朝日杯本戦 | 棋譜 |
となっております.+:。(´ω`*)