藤井聡太七段vs木村一基王位、王位戦七番勝負第2局1日目、対局模様をまとめています。
 
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目次

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藤井聡太七段VS木村一基王位、対局結果

先手番:木村一基王位

後手番:藤井聡太七段

戦 型:相掛かり
後(18勝7敗-勝率:0.7200)
6/4の第91期棋聖戦挑決Tvs永瀬二冠以来⇒勝
敗戦は2019/10/7の第69期王将戦挑決Lvs豊島二冠が最後

~20手目

 
中川八段「流動的なところがあるので、研究が難しい将棋、しぼって研究ができない、(ひとつの局面を持っていくのが難しい)、意味自由に個性を表現できる戦型(相掛かり)ではある。」

20手目棋譜
20手目
残:木村王位⇒7:22 藤井七段(当時)⇒7:46

~40手目

21.▲26飛
22.▽82飛
23.▲87歩打
24.▽34歩
25.▲37銀
26.▽44角
27.▲27飛
28.▽64歩
29.▲46銀
30.▽63銀
31.▲45銀
32.▽55角
33.▲37桂
34.▽35歩
35.▲56歩
36.▽22角
37.▲35歩
38.▽54銀
39.▲36銀
40.▽86歩

 
中川八段「負けた将棋の方が藤井さんの強さが垣間見えるような気がするんですよね。他の棋士も勝って快勝っていうのはたくさんあるんだけど、藤井さんが簡単にポロっと負けることはないから・・競って、難しい中競って、藤井さんの相手がようやく勝つような感じ、そうするとその中で、負けてんだけど、藤井さんの強さが逆に見えてくるんですよ、逆に、ギリギリの局面で、どういうことを考えているかとかね。」

木村王位の27.▲27飛で昼休へ、形勢はまったくの互角。

27手目
残:木村王位⇒6:23 藤井七段(当時)⇒6:49

飛車を引くなら28が予想されていましたが、木村王位27飛とされました。

八代七段によると、将来、37銀を46⇒45、もしくは44の角がいなくなれば、35に出たりとか・・もう1つ2つ、上がっていきたい、そのときに厄介なのが、例えば飛車を28に引いて、銀を上がると55角と交わされたときにちょっと厄介。このときに28の飛車取りになってしまって、尚且つ受けにくい。そのときに飛車が28にいるよりも、横効きはなくなるけども、27にいた方が良いという主張があるとのこと、ちょっとひねった手ではあるものの、最近出てきた考え方とのこと。

お昼は木村王位「天丼とそばのセット」藤井七段(当時)「中華セットランチ」

狙われやすい44の角がどうなるか?27飛車を引くような展開になると後手ペース。

39.▲36銀まで、先手52%、後手48%、木村王位の不満のない展開なのでは・・・?という感じで、藤井七段(当時)初の封じ手となりました^^

封じ手まで棋譜
王位戦2局目封じ手まで棋譜
残:木村王位⇒4:28 藤井七段(当時)⇒4:27

形勢
王位戦2局目封じ手形勢
※ご参考程度にどうぞ

深浦九段によると、藤井七段(当時)は上位者から先にサインを入れると思っていたようです(封じ手シーンで、木村王位が何やら教えている風景がありました)、対局相手ではありますけど、先輩として作法を教えるのは将棋界らしいですよね・・とのこと^^

中川八段の解説にると・・

★86歩でうまくいくかどうかが不明

86歩⇒同歩⇒同飛、例えば48に金を上がっておくとか、あるいは87歩と素直に歩を打って、56飛⇒26飛、これでも86歩と歩と打って、同歩⇒同飛と戻るような筋になるのかもしれない、これで仮に87歩⇒84飛、歩の損得がなくなるので、駒損を回復している。。ということでまぁ5分。

★65銀で取りに行く手もあるかもしれない

48金⇒56銀、こうなったときに、この銀が働いているのかどうか謎、中途半端。

いずれにしても56歩を取りに行くのが後手のひとつの狙い。先手の陣形が安定する前に、収めるというよりは、動いていく展開になるのでは・・

★1歩回収するよりは、95歩⇒同歩入れて、86歩もあるかもしれない、ちょっと乱暴ですが・・

⇒同歩⇒同飛⇒87歩打⇒56飛⇒例えば26飛となったときに、97歩と打つような・・同香だと歩打たれて(96)まずい、取るために56の飛車を追っ払ってから、97の歩を外すことになる、まぁ9筋指しすぎになるかもしれませんが・・

★36銀を相手にせずに、65歩と突いて、76歩⇒66歩、同歩なら65歩という手もあるかもしれない。同歩なら同銀、すると先手陣が攻めにも受けにも効いてないような陣形になる

戦い方が色々ある展開で、この手が最善とか、こうやる1手とかそういう展開ではないとのこと。

後手の方は1歩損していて攻めないといけない状態、それはそれで悪くはない、攻勢を取れるので簡単に言うと楽。

逆に先手の方は、相手が攻めてくるのが解かるので、しばらくは我慢で守勢にならざるを得ない。局面さえ収めてしまえば、35の位が安定して、桂が裁けており、1歩設けていて、悪くはない。

ソフト推奨は「86歩」「65銀」など。

封じ手は40.▽86歩でした^^

40手目棋譜
40手目
残:木村王位⇒4:28 藤井七段(当時)⇒3:54

~60手目

41.▲同歩
42.▽同飛
43.▲26飛
44.▽95歩
45.▲同歩
46.▽56飛
47.▲87歩打
48.▽96歩打
49.▲57歩打
50.▽55飛
51.▲96香
52.▽85飛
53.▲97角
54.▽42銀
55.▲48金
56.▽95香
57.▲同香
58.▽同飛
59.▲88銀
60.▽96飛

 
戸辺七段によると、76歩、97角、木村王位の棋風なら76歩では?とのことで、ソフト推奨は76歩、形勢は先手53%、後手47%。

昼休へ、木村王位「洋食セットランチ(ビーフシチュー、ベーグル他)」「洋食セットランチ(ビーフステーキカレー)」

昼休前棋譜※52.▽85飛
52手目
残:木村王位⇒3:31 藤井七段(当時)⇒2:24

53.▲97角⇒95香と思いきや、藤井七段(当時)は一旦54.▽42銀とされました(悪手ではありません)。

戸辺七段は、攻めると見せかけて守る、こういう駆け引きがうまいですよねとのことですが、評価値は若干下がり、先手56%、後手44%。

評価値下がりはしたものの、木村王位は悩むかも・・

ここで54.▽42銀⇒86角などが検討されていましたが、木村王位、自陣整備の55.▲48金とされて評価値は先手52%、後手48%とまた元戻りました(悪手ではありません)。

59.▲88銀、AbemaAI先手49%、後手51%。

60手目の長考辺りの戸辺七段の藤井七段(当時)エピソード①・②がとても面白かったです^^藤井七段(当時)を大絶賛♪

次手、ソフト推奨は34歩、94飛などでしたが、藤井七段(当時)60.▽96飛とされて、AbemaAIは先手55%、後手45%。

局面は難解、戸辺七段曰く、局面をどうにかしようというのではなく、相手に何かしてもらってゆっくり動かして様子をみましょうという感じなのでは・・とのこと。

木村王位はこの手を見て、眼鏡を外されて(「は?」という感じ)少し驚かれた模様・・(^▽^;)「うーん・・・そっかぁ・・・」とボヤキまで入りました。

60手目棋譜
60手目棋譜
残:木村王位⇒2:04 藤井七段(当時)⇒1:34

~80手目

61.▲86角
62.▽98飛成
63.▲29飛
64.▽92龍
65.▲28香
66.▽33銀
67.▲23香成
68.▽24香打
69.▲25歩打
70.▽23金
71.▲24歩
72.▽同金
73.▲25歩打
74.▽28歩打
75.▲同飛
76.▽27歩打
77.▲同飛
78.▽15金
79.▲16歩
80.▽26香

 
※木村王位、局後感想戦で61.▲86角の評判が良かったか聞かれていたようですが・・全然良かったです^^;

63.▲29飛まで、AbemaAIは先手56%、後手44%。

61.▲86角~軽視されたか・・66.▽33銀まで、AbemaAI先手64%、後手36%。。。

78.▽15金まで、60.▽96飛が敗着になりそうな展開・・AbemaAI先手68%。

80手目棋譜
80手目
残:木村王位⇒0:38 藤井七段(当時)⇒0:10

~100手目

81.17飛▲
82.▽28香成
83.▲15歩
84.▽同歩
85.▲45桂
86.▽44銀
87.▲64角
88.▽45銀右
89.▲同銀
90.▽同銀
91.▲53角成
92.▽52金
93.▲93歩打
94.▽同桂
95.▲64馬
96.▽62龍
97.▲65香
98.▽63歩打
99.▲42銀打
100.▽同金

 
93.▲93歩打まで、AbemaAI先手72%、後手28%。

100手目棋譜
100手目
残:木村王位⇒0:15 藤井七段(当時)⇒0:04

~120手目

101.▲63馬
102.▽同龍
103.▲同香成
104.▽44角
105.▲31飛打
106.▽41銀打
107.▲21飛成
108.▽62歩打
109.▲46歩
110.▽同銀
111.▲54桂打
112.▽63歩
113.▲42桂成
114.▽同玉
115.▲34金打
116.▽32銀打
117.▲44金
118.▽同歩
119.▲31角打
120.▽52玉

 
120手目棋譜
120手目
残:木村王位⇒0:02 藤井七段(当時)⇒0:03

木村王位優勢。

~140手目

121.▲11龍
122.▽53香
123.▲79玉
124.▽26角打
125.▲42歩
126.▽48角成
127.▲41歩成
128.▽57銀不成
129.▲97銀
130.▽98金
131.▲51と
132.▽62玉
133.▲52と
134.▽72玉
135.▲62と
136.▽83玉
137.▲69香打
138.▽56桂打
139.▲72銀打
140.▽84玉

 
121.▲11龍(ソフト推奨は42金打、32龍次善手)~紛れてきて、125.▲42歩で逆転(ソフト推奨は49歩、14龍など)、126.▽48角成まで、AbemaAI先手43%、後手56%。。さらに127.▲41歩成(ソフト推奨は69香打)、これで後手有利へ・・

~大逆転、藤井七段(当時)勝勢。

140手目棋譜
140手目

141手~160手目棋譜

141.▲75金打
142.▽同玉
143.▲53角成
144.▽65玉
145.▲
146.▽
147.▲
148.▽
149.▲
150.▽
151.▲
152.▽
153.▲
154.▽
155.▲
156.▽
157.▲
158.▽
159.▲
160.▽

 
144手まで、木村王位投了・・・

投了図
投了図

※形勢図
形勢図
※ご参考程度にどうぞ

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藤井聡太七段と木村一基王位の対局前後のコメント

 

局前コメント
  • 藤井聡太七段
  • 『後手番ということで、こちらからすると展開が予想し辛いところはありますけど、持ち時間も長いので、1手1手しっかり考えて指していきたいなと思っています。』

    『北海道は昔家族旅行で訪れたことがあるんですけど、今回タイトル戦で訪れることができて良かったなと思っています。』

    『(コンディション)対局は多いですけど、自分としては良い状態をキープできているのかなと思っています。』

    『王位戦七番勝負は全国を転戦することになりますが、そのことは自分自身も楽しみですし、現地で観て頂ける方に、良い将棋をお見せできればと思います。』

    『飛行機に乗るのが家族旅行以来なので、結構緊張したんですけど、まぁ・・空からの眺めも楽しめましたし無事について良かったなと思いました。』

  • 木村一基王位
  • 『受け身になりがちですので、積極性を出せるといいなぁという風には思います。色々考えてはきたんですけど、まぁ全部は言えませんので・・』

    『公式戦で、長い持ち時間指すのは初めてで、よく考える人だなあというのは感じましたね。』

    『1局目、負けてしまいまして、先行されてしまいました。スコアには関わらずですね、自分の持っているものを全部出しきれるように、頑張りたいと思います。』

    『(コンディション)丁度良いくらいです。くたびれるという面は出てくる場合もあるんですけど、今回は特にそういったことは考えていません。』

    『北海道は大変将棋が盛んで、関心持たれてる方も多いです。両親も出身のところです。精一杯頑張りたいと思います。』

 

局後コメント
  • 藤井聡太七段
  • 『(27飛)44角に27飛と引かれて、本譜は動いていったんですけど、何というかうまく・・対応されて、苦しくなってしまったような気がします。』

    『(96飛)自分が35歩と突き捨てたのが、何というかその後響いてしまって、ずっと苦しい展開なのかなと思っていました。』

    『(86角⇒98飛成⇒29飛)86角~29飛というのが良い手順で、収拾がつかなくなってしまったのかなと思っていました。63.▲29飛~65.▲28香が厳しいので、かなり苦しくしてしまいました・・』

    『(42銀辺りの攻め、53香~26角)そうですね、常に厳しく攻められて、そうですね・・ずっと苦しかったかなと思うんですけど、こちらに手番が渡ったところで、少しアヤが出てきたところがあるのかなと思っていました。』

    『(手応え)最後開き直って、踏み込んだ・・という感じなので、そうですね・・最後まで解からなかったです。』

    『(封じ手、違和感なく対応できましたか?)良い経験ができたというか、それを次に活かしたいなと思います。』

    『(疲れは?)これからも対局続きますけど、どの対局も良いコンディションで迎えることができるように、しっかり調整したいと思います。』

    『(8/4.5)今日の将棋を何とか反省して、また、第3局に活かして行ければなと思います。』

  • 木村一基王位
  • 『(27飛)いや、あまり良いとは思いませんでした・・ちょっと、銀と桂がこり形になっちゃって、まぁ思うように活かしにくい・・かなぁ・・という形が続いたんで、いや、あのちょっと、失敗したかなと感じていました。』

    『(86角)96飛自体は我慢しているような手でもあるので、もうちょっと我慢した方が良かったかなという気もしたんですけど、まぁ、難しいとこでしたねぇ・・ただまぁ、互角くらいの流れではあったかなぁと思いました。』

    『(29飛)まぁちょっと金が遊んでいるので、流れ的には良いのかと思っていたんですけど、常に1手間違えたら攻め込まれたりとか、飛車取られたりとか、そういった変化が多かったので、常にプレッシャーを掛けられていたような・・』

    『(42銀辺り)ちょっと明快さに欠けたので、どうでしたかねぇ・・最後・・・いや、何かあったかもしれないなと思いましたけど、多分、逃してるのか、もう逆転しているのか・・なんか解からなかったですね、チャンスがあったと思いますけど・・』

    『(8/4.5)一生懸命、精一杯頑張りたいと思います。』

藤井聡太七段の次の対局予定※16日、棋聖戦第3局vs渡辺三冠戦

【7月16日、21日】VS渡辺明三冠【第91期棋聖戦番勝負第3局】

◆第4局 7月16日(木)大阪市「関西将棋会館」
◆第5局 7月21日(火)東京・千駄ケ谷「将棋会館」

対局相手
クラス別戦績
過去対局
持ち時間
各4時間
時間別戦績
4時間棋戦通算76勝21敗、持1(0.7835)
対局場所
関西将棋会館
開始時間
9:00~
リーグ表

 

過去対局

※※横にスクロールできます※※

日付 勝敗 対局時クラス 手番 戦型 手数 棋戦名 棋譜
2020/7/9 A 角換わり腰掛け銀 142手 第91期棋聖戦五番勝負第3局 棋譜
2020/6/28 A 矢倉 90手 第91期棋聖戦五番勝負第2局 棋譜
2020/6/8 A 矢倉 157手 第91期棋聖戦五番勝負第1局 棋譜
2019/2/16 A 雁木 128手 第12回朝日杯本戦 棋譜

 

中継情報

携帯アプリは9:00~
AbemaTV8:30~
※解説者:久保利明九段、都成竜馬六段
※聞き手:聞き手:室谷由紀女流三段、本田小百合女流三段
となっております.+:。(´ω`*)