第79期順位戦、野月浩貴八段との対局模様をまとめています。

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藤井聡太二冠VS野月浩貴八段、対局結果と棋譜

先手番:藤井聡太二冠後手番:野月浩貴八段戦 型:雁木

雁木通算:9勝0敗

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~20手目

 
20手目棋譜
20手目
残:藤井二冠⇒5:43 野月八段⇒5:25

藤井二冠、玉の囲いを後回しにして19.▲35歩と仕掛けられました。

阿久津八段はこの二人の対局は終局遅くなりそうと想像されていたようですが、早い段階から激しくなりそうです・・とのこと。

最近では雁木に対してすぐに35歩~と攻めて行く形が主流で、これで雁木の採用数が減ったイメージがある、(雁木に対して)この仕掛けが有力なイメージ、雁木の生命線ではないのか?これで藤井二冠が攻めきれてしまえば、ますます雁木が落ち込んでしまうかも・・・良い将棋になってしまえば、絶滅の危機になるかも・・・と解説で井出四段と本田女流が語られてました・・・

~40手目

21.▲34歩
22.▽同銀
23.▲38飛
24.▽86歩
25.▲同歩
26.▽75歩
27.▲同歩
28.▽76歩
29.▲66角
30.▽86飛
31.▲88歩打
32.▽52玉
33.▲78銀
34.▽45歩
35.▲33角成
36.▽同桂
37.▲66角打
38.▽84飛
39.▲87銀
40.▽64歩

 
24手目、解説では自然な手、73銀(AI推奨も)のような感じですが、野月八段長考中。⇒昼休含めず1時間くらいの長考で24.▽86歩※悪手ではありません

野月八段は序盤でまとまった時間を使うことが多いようですが、終盤時間に追われることは、あまりないようです^^

藤井二冠は「豚しょうが焼き弁当(鳩やぐら)」 、野月八段は「上・親子丼、ご飯半分&のり抜き(ほそ島や)」

昼休前棋譜
23手目
残:藤井二冠⇒5:32 野月八段⇒5:24

阿久津八段「24.▽86歩⇒26.▽75歩で、本局はじっくりした戦いになりそう」

32.▽52玉(AI推奨は82飛、悪手ではありません)は井出四段も示されていた手、ただ「あまり好きではなく、こういう手も今はあるかな・・と思った程度で」とのこと(;'∀')

「▲26銀、▲35銀ときて、▲45歩ときたときに当たりがきついように見えちゃう。良い面もあるんですけど、ここから弱点をフォローしながら戦うのがすごい難しい」

藤井二冠長考中、攻め合うか?78銀入れてゆっくり指すか?⇒約1時間半の長考で33.▲78銀。

対する野月八段も、約1時間10分の長考で34.▽45歩。

AI推奨79玉でしたが、藤井二冠35.▲33角成(悪手ではありません)。

※解説の都成六段と井出四段はこの流れが意外とのこと・・

夕食の注文は藤井二冠が「カレーライス」、野月八段が「鶏せいろそば、のり抜き」共にほそ島や。

形勢はほぼ互角。

夕休前棋譜
39手目
残:藤井二冠⇒2:55 野月八段⇒2:42

73角か65角が本命?(どちらもAI推奨)かと思っていましたが、野月八段は40.▽64歩(悪手ではありません)。

井出四段「1時間20分程度の考慮で、40.▽64歩とされましたが、非常に難しい手。▲76銀と一見味が良いですけど構わず65歩と突き出すのが狙いの1手。先手からすると嫌な手。」

都成六段「一見▲同銀でタダに見えますが、そうすると8筋が薄くなってしまうので、▽87歩と打たれるのが嫌味。」

ちなみに阿久津八段、65角は浮かび辛く、宇宙人的な手とのこと。

40手目棋譜
40手目
残:藤井二冠⇒2:55 野月八段⇒1:24

~60手目

41.▲76銀
42.▽65歩
43.▲77角
44.▽46歩
45.▲同銀
46.▽27角
47.▲37飛
48.▽63角成
49.▲65銀
50.▽36歩打
51.▲39飛
52.▽25銀
53.▲74歩
54.▽64歩
55.▲66角
56.▽86飛
57.▲56銀
58.▽34銀
59.▲78金
60.▽76飛

 
42.▽65歩に藤井二冠長考へ、局面は難解、AI推奨は77角。

ここまで互いに悪手はなく、AI最善より次善などを指し、互いに読み筋を外しながら?局面を複雑化させ拮抗中。

AI推奨は73桂、42玉などでしたが、野月八段44.▽46歩、悪手ではありませんが、若干形勢が藤井二冠ペースへ。

井出四段「49.▲65銀、守りの銀を使っていった味の良い手。74銀を見せつつ、66角のスペースを作ったり。」

都成六段「この辺りは藤井二冠が小刻みにポイントを上げている感じ。」

52.▽25銀まで、AIが示す順は26歩・・・

井出四段「本日一番驚いた。一見相当部分的に筋の悪い手、ちょっと理解を超えていますね・・・」

「▲26歩、▽34銀、▲74銀、▽54馬、▲55銀となったときに、▽76馬ときて、▲36飛とすれば成功か・・▽77馬で角取られたときに、▲同玉でこれは成功ですね、これは銀取りが受けにくくて、仮に▽35歩と無理やり受けても、▲66飛と回れば、これは潰れてますね。歩切れなので、▲63角と無理やりぶち込んでいっても厳しいし・・ということで26歩ですか・・」

※ちなみにAIは▲26歩、▽同銀、▲74歩、▽43玉、▲55角と示しているんですが・・

井出四段「▲26歩、▽同銀、▲74銀としたときに、▽54馬、▲34歩、▽76歩、▲66角、▽65歩と打って角がどっか行くと取られちゃうよってことですね・・」

「でも26歩は打たないでしょう・・26歩は相当指せない」

人間には指し辛い順。

井出四段「駒の配置と言いついて行けないですよね。すごい布陣してません?絶妙な布陣の悪さ、良い形とは言えない。そのバランスを保つには凄まじい技術と読みが必要。そこが強さの秘訣としか言いようがない。」

「最初は先手が良いかと思ってましたけど、どっちも持ちたくないですね。この局面で良い手を指す訳がない、悪手しか思いつかない。盤面に触れたくない、こういう将棋をまとめるのは神業。」

「こういう言い方あれですが、誰がやってもそこそこ指せる将棋ってあるんですよ。(省略)相手の急所さえ逃さなければ・・・こんなの良くなっても何指せば良いか解からない。こんなの逃げ切れるわけがない。このまま押し切れる人います?人類に・・1手1手難易度高すぎ、こんな手指されたら、同じ将棋やっているのに違う生き物なんだなみたいな・・それくらい26歩は強烈な手ですね。究極の生命体。それくらい26歩は打たないで欲しいですね。」笑

53.▲74歩とされました^^(笑)評価値は互角へ。

※あそこまで言われると26歩して欲しかった・・笑

60手目棋譜
60手目
残:藤井二冠⇒0:44 野月八段⇒0:34

~80手目

61.▲55銀右
62.▽62玉
63.▲44銀
64.▽45桂
65.▲46歩
66.▽57桂成
67.▲同金
68.▽43歩打
69.▲33銀成
70.▽66飛
71.▲同歩
72.▽33金
73.▲79飛
74.▽32金
75.▲67金上
76.▽37歩成
77.▲同桂
78.▽48銀打
79.▲47金
80.▽59角打

 
形勢は徐々に藤井二冠ぺース。

都成六段「55銀かと思いきや、藤井二冠69.▲33銀成。70.▽66飛で一見、成銀を取られてしまうようですが、71.▲同歩と取り返して、72.▽33金として一瞬銀桂交換で、後手が駒得に・・と思いますが、73.▲79飛が味が良く、銀(48)を避けつつ、瞬間的には飛車が使い辛くなったように思えますけど、これで藤井良しなのかなという感じ。次、75.▲67金上が絶品。ここで後手にプラスの手がない。」

80手目棋譜
80手目

~100手目

81.▲58玉
82.▽
83.▲
84.▽
85.▲
86.▽
87.▲
88.▽
89.▲
90.▽
91.▲
92.▽
93.▲
94.▽
95.▲
96.▽
97.▲
98.▽
99.▲
100.▽

 
81手まで、野月八段投了。

投了図
投了図


形勢図
※AIによる評価値は、とても人間には見えない着手も含む数字であることをご理解の上、ご参考程度にどうぞ
 
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藤井聡太二冠との対局前後のコメント

 

局後インタビュー
  • 藤井聡太二冠
  • 『結構見慣れない局面だったので、判断が難しいのかなという風に思って指していました。』

    『52玉と立たれて、こちらから動いていくと反動が厳しそうな気がしたので、そこから自玉に手を入れる方針で指していました。』

    『こちらは歩得ですけど、馬が手厚いので、常に難しいのかなという印象でした。』

    『(勝敗は)最後まで解からなかったです。』

    『これまでのことは考えずに、残りの3局も今まで通り臨めればと思います。』

    『今年は自分としては初めてタイトル戦に出ることができて、そういった大きな舞台で対局できたことは良い経験になりましたし、また、結果も残せたので良い一年になったのかなという風に思っています。』

  • 野月浩貴八段
  • 『雁木自体は最近突き詰めている戦法なので、色々な対策を考えてはいたんですけれども、その中でもかなり序盤から激しい展開で、微妙な形の違いをどうプラスにするかマイナスにしないようにするかっていうのが、非常に難しい将棋だったと思います。受け止める指し方もあったと思うんですけど、自分から積極的に動いて行こうと、終始そういう感じで指したんですけれども、中盤が難しすぎましたね。判断がさっぱり分からなかったです。』

    『お互いバランスを取るのが結構難しい、傷を抱えている将棋なので、1歩間違えるとすぐに終わる変化もありますので、その辺りの自分の長所と短所、相手の長所と短所を比べるのが難しかったですね。こちらが玉を真っすぐ上がって手を渡したときに、受けに回られるのは(33.▲78銀)少々予定と違って、何かありそうかなと思ってはいたんですけど、なかなか難しい、選択肢が多すぎて、どれを選んでも難しそうで、その中で積極的な手を選んだんですけど、ちょっと馬作った後の指し方が、イマイチだったかなと。』

    『馬作るのも相手の飛車とか銀を使わせてしまうので(45.▲同銀辺り)、そこら辺の判断がよく分からなかったですね。』

    『歩打って、歩切れで、伸びた歩がなかなか取れない状態だったのも誤算でしたね。』

 

藤井聡太二冠の次の対局予定※1/6vs中村九段戦(順位戦)

★年度内対局は順位戦、野月八段戦が最後
第14回朝日杯は12/18に残り2枠確定します

【1月6日】vs中村修九段【第79期B2順位戦】

対局相手
クラス別戦績
過去対局
持ち時間
各6時間
時間別戦績
6時間棋戦通算57勝5敗(0.9193)
対局場所
放送開始時間
10:00~
リーグ表

過去対局

※※横にスクロールできます※※

日付 勝敗 対局時クラス 手番 戦型 手数 棋戦名 棋譜
2020/1/7 B2 雁木 128手 第28期銀河戦本戦 棋譜

 

中継情報

携帯アプリ10:00~
恐らくAbemaTVで9:30~
※解説者:未定
※聞き手:未定
 
となっております.+:。(´ω`*)