第61期王位戦挑決、藤井聡太七段vs永瀬拓矢二冠の対局模様をまとめています。
 

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目次

藤井聡太七段VS永瀬拓矢二冠、対局結果と棋譜

先手番:藤井聡太七段後手番:永瀬拓矢二冠戦 型:角換わりその他

先(25勝3敗-勝率:0.8928)
3敗は豊島二冠、近藤七段、山崎八段

藤井聡太七段の戦型データを確認する

~20手目

 
20手目棋譜

~40手目

21.▲37銀
22.▽73銀
23.▲46銀
24.▽94歩
25.▲66歩
26.▽95歩
27.▲68玉
28.▽64銀
29.▲35歩
30.▽同歩
31.▲同銀
32.▽75歩
33.▲34歩打
34.▽22銀
35.▲46角打
36.▽54角打
37.▲75歩
38.▽76歩
39.▲88銀
40.▽86歩

 
藤井七段(当時)は早繰り銀を選択、永瀬二冠の得意戦型。

昼食は2人とも肉豆腐(キムチ)鳩やぐら、藤井七段(当時)はご飯少なめ。

昼休前棋譜※

残:藤井七段(当時)⇒3:27 永瀬二冠⇒3:08

形勢は互角。

藤井七段(当時)約1時間半の考慮で35.▲46角とされました。

40手目棋譜

残:藤井七段(当時)⇒1:50 永瀬二冠⇒2:12

~60手目

41.▲同歩
42.▽同飛
43.▲87歩打
44.▽85飛
45.▲56歩
46.▽75飛
47.▲77歩打
48.▽73桂
49.▲24歩
50.▽同歩
51.▲76歩
52.同角▽
53.▲48金
54.▽54角
55.▲24飛
56.▽23歩打
57.▲26飛
58.▽38歩打
59.▲同金
60.▽86歩打

 
佐藤天九段「87歩打⇒85飛⇒75に歩でも打ちます?まぁ次に75飛と取りますよと、嫌ですよね、まぁ74歩と突きだす・・55銀なら73歩成、83桂で取ると74歩ですね」

山口女流二段「わぁ・・角要らないんですね・・」

佐藤天九段「うーん、そうですねぇ、最近は角の価値が下がり気味なので。ソフト将棋は角の価値が低いんですよ、金が上がりましたかね、桂の価値も値下がり気味で、桂馬どんどん捨てちゃいますもんね、こんな感じで(65桂)、同歩で取られても、同飛で取り返して、まぁ歩がないですからね、歩があれば67歩打で良い形で受かりますよね」

(;´∀`)笑笑

「歩がなければ桂馬で受ければいいじゃないと(笑)ちょっとこの桂はね・・うーん(笑)やっぱり適材適所で行きたいと、そうじゃないと革命起きちゃいますからね(笑)」

45.▲56歩で約30分、残り時間は藤井七段(当時)約1時間に対し、永瀬二冠は約2時間・・・・

48.▽73桂まで、形勢はほぼ互角、藤井七段(当時)としては壁銀をなんとかしたい感じ・・r(-◎_◎-)

55.▲24飛まで、形勢はAbemaAI先手47%、後手53%。

※感想戦にて、永瀬二冠はこの後38歩を考えたようですが、単にそれだと変化が多くて何をされるか解からなかったので・・とのこと

佐藤天九段「あんまり後手持ちたくないですけどねぇ・・やっぱり玉が何回も言ってますけど、居玉+壁銀、プラス飛車角銀桂が攻めと受け両方担ってるんで、ちょっとこう・・タスクが多すぎるんですよね、その人に居なくなられると、急に会社が立ち行かなくなるという、64銀とか凄い大事な、うかつに交換できないんですよ、居ないと居ないで角のラインが・・(75銀として)こういう形になればいいんですけどね」

「銀が居なくなったとして、桂が浮きますし、72歩という設備投資もしづらいですよね、なんか」

「それでも形勢が少し後手が良いというのは、持ち歩が多いというのもありますし、もしかしたら具体的な手順によるものかもしれませんし、模様が良いと判断する場合もありますが、残念ながら模様が良いとは言えないですからね」

山口女流二段「バランスを崩さずに後手が攻め切れるか?という展開ですね」

佐藤天九段「うーん、そうですね、それも難しいですけどね」

例えが・・・(;^ω^)笑

解説では及川六段が36歩を解説してましたが、永瀬二冠58.▽38歩打、角成の隙を作る垂れ歩?取りにくい・・けど取られました。

60手目棋譜

残:藤井七段(当時)⇒0:25 永瀬二冠⇒0:56

~80手目

61.▲77歩打
62.▽96歩
63.▲同歩
64.▽97歩
65.▲97香
66.▽85桂
67.▲48金
68.▽15歩
69.▲86歩
70.▽98角成
71.▲85歩
72.▽89馬
73.▲87銀
74.▽54桂打
75.▲67桂打
76.▽45飛
77.▲37桂
78.▽46飛
79.▲同歩
80.▽66桂

 
64.▽97歩まで、永瀬二冠の攻め、藤井七段(当時)の受け、AbemaAIは先手54%、後手46%、白ビールは232。

対局は拮抗中、67桂推奨だけれど、残り時間6分で指せるのだろうかと思っていたら、75.▲67桂、さすが・・・永瀬二冠残り時間36分。

佐藤天九段「感想戦では、76歩という追い方もあるんですけど、85飛と取って、86歩と打たれたタイミングで、46桂と角を取って、そこで85歩に対して77歩とするのが好手、同玉ですと59角で王手金取り、同金ですと、すぐそういう王手金取りみたいのは無いんですけど、79角として59玉に58桂成と、同玉とすると、35の銀が取られちゃうんですよね」

80手目棋譜

残:藤井七段(当時)⇒0:03 永瀬二冠⇒0:28

~100手目

81.▲29飛
82.▽78桂成
83.▲同銀
84.▽88馬
85.▲81飛
86.▽73角打
87.▲62歩打
88.▽同玉
89.▲84歩
90.▽78馬
91.▲同玉
92.▽72銀打
93.▲83飛成
94.▽65銀
95.▲57桂打
96.▽64角
97.▲65桂
98.▽83銀
99.▲同歩成
100.▽97角成

 
85.▲81飛まで、AbemaAI先手51%、後手49%。

同銀で龍を取ると攻めきれないとみた永瀬二冠は、94.▽65銀とされますが、そこにすかさず95.▲57桂打。

永瀬二冠、94.▽65銀。。96.▽64角まで、AbemaAI先手72%、後手28%。

100手目棋譜

残:藤井七段(当時)⇒0:03 永瀬二冠⇒0:10

~120手目

101.▲68玉
102.▽72歩
103.▲57玉
104.▽42金
105.▲84角打
106.▽52玉
107.▲62歩打
108.▽71金
109.▲72と
110.▽同金
111.▲61歩成
112.▽同玉
113.▲73銀打
114.▽71金
115.▲62銀打
116.▽52玉
117.▲71銀
118.▽41玉
119.▲24歩打
120.▽28香打

 
120手目棋譜

残:藤井七段(当時)⇒0:03 永瀬二冠⇒0:02

藤井七段(当時)勝勢。

~140手目

121.▲23歩成
122.▽29香成
123.▲22と
124.▽79馬
125.▲68歩打
126.▽59飛打
127.▲58銀
128.▽
129.▲
130.▽
131.▲
132.▽
133.▲
134.▽
135.▲
136.▽
137.▲
138.▽
139.▲
140.▽

 
127手まで、永瀬二冠投了。

藤井七段(当時)タイトル挑戦です。

投了図

形勢図

※ご参考程度にどうぞ

佐藤天九段「永瀬さんの本局のクオリティも非常に高いものがあったと思いますし、まぁこういう言い方をすると変ですけど、これぐらいのクオリティの将棋を指せれば、勝てることも多いと思うんですけども、やっぱりそうですね、結構トップ同士の戦いになってくると、自分のパフォーマンスは悪くなかったはずなのに、負けてしまうということが出てくるので、今日の永瀬さんはそういう心持になっているのかもしれないですかね」

「実際見ていても難しかったですし、AIの評価を見ていてもほぼ動きがなかったので、まぁお互い均衡を保っていたということは、指し手のクオリティも高かったんじゃないかとも思いますし、永瀬さんとしては、はっきり指した瞬間これは・・ちょっとまずかったかなというような手はあまりなかったと思うんで、そんな中での、最後は・・うーん、はっきりした負けになってしまったので、どこが悪かったんだろうとなるのは、まぁうなずけるかなと思いますけどね、はい。」

「この間の棋聖戦挑決も非常に内容的には悪くなかったと思いますけれども、まぁ永瀬藤井戦で、やはりその、最後の最後でちょっとの差で藤井さんが勝って、そちらも挑戦権を奪われていますので、挑戦者決定戦ってタイトル戦で負けるというのも非常に痛いことなんですけれども、ただ、挑戦者決定戦で勝てばタイトル戦出られるわけですから、変な話、タイトル戦に出るということ自体も大きな実績なので、それを争う挑決ってものすごく大きくて、それ短期間に2連敗してるっていう、しかも自分の方も悪くない内容でってことだったので、まぁ永瀬さんとしては、藤井さんに阻まれているなぁ・・という感じは受けるんじゃないですかね。」

「軍曹なのでね、これで心が折れるってことは無いと思いますけども、藤井さんへの信頼というとのも増すと思いますし、藤井さんも棋聖戦第1局の渡辺戦とかでも自分の方が7分で、相手が50分とかで、相手に飛車取られて、ちょっと予想外の展開になって、ひと目勝ちづらそうに見えるんだけども、そこでギリギリストップウォッチ方式を活かして?るんですかね、なかなか減らないので、秒読みになってから踏みとどまるという藤井さんの底力というのが、今回も発揮されたかなと・・うーん・・。」

「時間がないと大変な部分も本局もありましたし、棋聖戦でもあったと思うんですけど、どちらも凌いできているので、そうですね、観ている側としては藤井さんというのは時間が無くなっても大丈夫なんだなっていうちょっと信用がついてきちゃうところでもあるんで、信用しすぎるとね、これもね・・せっかく相手が時間も局面も追い込まれてて、自分この間もこれで勝ってたからなみたいな、そういうのが過り始めると、どんどん信用も高まっていって、また藤井さんの勝つ要素が増えていくばかりになるので(笑)我々プロ棋士もあまり信用しすぎずに実力は認めつつ頑張っていかなければなと。」

タイトル戦初日は7月1日、2日、愛知県豊橋市「ホテルアークリッシュ豊橋」。

 

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藤井聡太七段と永瀬拓矢二冠の対局前後のコメント

 

局後インタビュー
  • 藤井聡太七段
  • 『永瀬二冠には普段から教えて頂いているんですけど、公式戦ではあまり対戦できていないので、こうした大きな舞台で対局できるのは嬉しく思っていました。』

    『番勝負も7月から始まりますので、なんというかしっかり、状態を整えて良い将棋を指したいなと思います。』

    『(2日制)持ち時間8時間というのは指したことがないので、そうですね、じっくり考えられるのは楽しみです。』

    『(木村王位)力強い受けに特徴があるという印象です。』

    『(過密日程について)対局は多いですけど、普段通り臨めているかなと思います。』

    『そうですね、今期は王位リーグ入りを目標にやっていたんですけど、苦しい将棋も多かったんですけど、その中粘り強く指せたのが結果につながったのかなという風に思っています。』

    『(ダブルタイトル戦)今後も対局が続くことになりますけど、どの対局にもしっかり良い状態で臨めるようにしたいと思っています。』

    『(地方対局)今回7番勝負で初めて訪れる場所もあるのかなという風に思いますので、それは非常に楽しみにしています。』

    『(本日誕生日の木村王位へ、年齢などについて)年齢に関係なく楽しめるというのが将棋の良いところのひとつかなと思っていますので、年は離れていますけど盤上では全力でぶつかっていきたいと思います。』

    『木村王位の昨年の王位戦、すばらしい戦いでしたし、自分としては全力でぶつかっていく、ということだけかなという風に思っています。』

    『(地元対局)王位戦ですと、毎年第1局が愛知対局となっていて、やはり地元でタイトル戦を指せるというのは格別の喜びがあります。』

    『(ファンの皆様へ)ご観戦いただきまして、ありがとうございます。そうですね、王位戦で第1局が地元の愛知県での対局ということで、そちらでも精一杯指して、良い将棋をお見せできればと思っています。』

  • 永瀬拓矢二冠
  • 『(早繰り銀)想定はしていませんでしたが、なったら仕方がないなと思っていました。』

    『そうですね、本局1局を通して力負けという印象がありましたので、追いつくように勉強してまた頑張りたいなと思います。』

    『藤井七段(当時)とは普段から指していて、実力は知っているわけなので、まさか自分がというのはありましたけど、指してみてやっぱりこちらが力負けしてしまったような気がします。』

藤井聡太七段の次の対局予定※本日20時~銀河戦、6/25順位戦vs佐々木七段

【6月23日】VS郷田真隆九段【第28期銀河戦】

対局相手
B1棋士との戦績
過去対局
初手合
持ち時間
各15分
1時間未満棋戦戦績
通算38勝9敗(0.8085)
対局場所
スタジオ
放送開始時間
20:00~
トーナメント表

中継情報

携帯アプリ

なし
将棋プレミアム、将棋チャンネル、ニコ生にて20:00~放送開始
※いずれも有料契約が必要
※解説者:及川拓馬六段
※聞き手:室谷由紀女流三段
 

【6月25日】VS佐々木勇気七段【第79期B2順位戦】

対局相手
B2棋士との戦績
過去対局
持ち時間
各6時間
6時間棋戦戦績
通算30勝1敗(0.9677)
対局場所
東京将棋会館
開始時間
10:00~
リーグ表

過去対局

※内3局は非公式戦

日付 勝敗 対局時クラス 手番 戦型 手数 棋戦名 棋譜
2018/9/9 C1 その他 122手 第1回Abemaトーナメント第3局 棋譜
2018/9/9 C1 その他力戦 69手 第1回Abemaトーナメント第2局 棋譜
2018/9/9 C1 角換わり腰掛け銀 97手 第1回Abemaトーナメント第1局 棋譜
2017/7/2 C1 相掛かり 120手 第30期竜王戦本戦T 棋譜

 

中継情報

携帯アプリは10:00~
AbemaTV9:30~
※解説者:千葉幸生七段、近藤誠也七段、青嶋未来六段
※聞き手:室谷由紀女流三段、安食総子女流初段
となっております.+:。(´ω`*)