第79期B2順位戦、最終局、藤井聡太二冠vs中村太地七段の対局模様をまとめています。
来期B1についてまとめた記事はこちら↓
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目次
藤井聡太二冠VS中村太地七段、対局結果と棋譜
先手番:藤井聡太二冠後手番:中村太地七段戦 型:相掛かり
先手番相掛かりは本局で3局目
2-0で敗戦ナシ
’19/6/11 伊奈七段 棋聖戦一次予選
’21/2/18 広瀬八段 竜王戦2組R戦
藤井聡太二冠の戦型データを確認する
~20手目
序盤、藤井二冠の5.▲78金~相掛かりへ。
~40手目
21.▲26飛
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22.▽34歩
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23.▲76歩
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24.▽42玉
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25.▲22角成
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26.▽同銀
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27.▲88銀
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28.▽72金
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29.▲36歩
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30.▽73桂
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31.▲35歩
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32.▽同歩
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33.▲77銀
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34.▽84飛
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35.▲66歩
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36.▽55銀
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37.▲58金
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38.▽24歩
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39.▲46歩
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40.▽64飛
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お昼前※28手目棋譜
残:藤井二冠⇒4:55 中村⇒5:40
25.▲22角成で約50分程の長考になりましたが、その後中村七段の28.▽72金に更に長考中で昼休へ、2手連続長考になっており、28.▽72金が意外だったのかも。
昼食は藤井二冠「天とじ丼セット(冷たいうどん)」、中村七段「親子丼セット(温かいうどん)」、共にやまがそば。
29.▲36歩。
※ちなみにAI推奨は77銀
八代七段「候補手の中で一番強い手、尚且つ一番指したい手を指したという感じですね。指すには勇気がいるので、葛藤があって時間を使ったんだと思いますね。ここは中村七段考えると思います。」
「次は▽86歩が自然な1手、▲同歩、▽同飛、このままだと後手から44角と打つ手がある、26の飛車取りと、88の銀取り、これを食らってはまずい、なので▲87歩打なんですけど、そこで▽76飛と歩を取るということで、この手が成立してしまうのが29.▲36歩の欠点、後手の72金が活きている、金が下だと先手から83角と打つ手もあるけれど、それをしっかり防いでいる、後手としては満足の展開に見えるんですけど、ここに至る手順中に何か違う手を考えているのかもしれません。」
「▲同歩、▽同飛、▲35歩として、飛車の横効きで76の歩を守る手も考えられますね。尚且つ44角と打たれても飛車取りにならないですし、打たれても▲87歩と打てば良いのでこれも感がられますね。ただ、▲35歩に同歩だと後手は1歩損も解消できるので、これでもいいじゃないということになるんですけどね・・」
「後手なら、30手目、▽73桂も考えてみたいですね。」
⇒30.▽73桂※約70分の考慮となり、持ち時間差は現時点では同じくらいへ(藤井二冠4:15、中村七段4:28)
34.▽84飛(AIは、とりあえず14歩推奨してました)まで。
石田五段「手が広いというよりも、何を指して良いかパッとわかりにくい局面。」
AIは58金や16歩を有力としていましたが、藤井二冠約50分の考慮で35.▲66歩、互角。
AI推奨は23銀となってましたが、中村七段40.▽64飛、で夕休へ。
夕食は藤井二冠⇒「ポークカレー+野菜サラダ」、中村七段「ポークカレー」、共にCoCo壱番屋。
夕休前※40手目棋譜
残:藤井二冠⇒2:15 中村七段⇒2:36
~60手目
41.▲37桂
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42.▽66銀
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43.▲同銀
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44.▽同飛
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45.▲67金右
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46.▽64飛
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47.▲55銀打
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48.▽74飛
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49.▲45桂
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50.▽15角打
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51.▲29飛
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52.▽36歩
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53.▲49銀
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54.▽86歩
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55.▲同歩
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56.▽88歩打
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57.▲同金
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58.▽37歩成
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59.▲64歩打
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60.▽47と
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41.▲37桂まで。
三浦九段「▽86歩、▲同歩、これは後で88歩というのが入るので、取らせることができれば先手の形を乱すことができるという狙いなんですが、1歩渡すのがデメリットが大きいので、突き捨てるかどうか微妙なところで、単に66銀とでれなければちょっと、あんまり嬉しくないですよね・・」
八代七段「どうですね、66銀でなければ本来は不満というか・・おかしいんですけど、▲同銀、▽同飛・・」
三浦九段「この後タラレバさんが▲67歩打を検討してまして・・▽76飛・・そこで桂を跳ねてもパッとしないなぁとか言ってるですけど、実際わたしもそう思ってたんですけど・・」
八代七段「先ほど石田さんと解説していて、▲45桂、ちょっと怖いんですけど▽74飛としたらどうかと・・これで61に角を打ったらどうかとか、」
三浦九段「確かに▲61角がクリーンヒットすれば・・・」
八代七段「それから▽65桂とか行けたりしないですか・・?」
三浦九段「1回▲75歩打でも入れます?▽同飛と取れば、▲66銀打ですか・・▽67桂成、▲同銀・・さすがにまずいですか、これは・・」
八代七段「ということは、61角打たれたらまずいってことで、▽74飛と引かずに・・・」
三浦九段「▽77歩打、▲同金なら▽74飛として、▲61角なら▽65桂が先手になるということなんですけど・・まぁねぇ・・・」
八代七段「ちょっと、組み合わせとして難しいと・・」
解説では42手目、66銀濃厚説が出ていましたが、ついにAI候補手から消えるという・・・
長考合戦中・・42手目、AI推奨は86歩、次善23銀(解説では指しにくいとのこと)、次33桂(こちらも指しにくそう)でしたが、中村七段42.▽66銀とされ、少し形勢が藤井二冠ペースへ、AbemaAI45-55。
47.▲55銀打まで。
48.▽74飛※AI推奨は84飛、ここ~さらに形勢差が開く展開。
※この55銀打~は藤井二冠ペース。
53.▲49銀(AI推奨は61角でしたが、悪手ではなく若干形勢が戻りました)、形勢が難しいと見られたか・・
57.▲同金でさらに形勢差接近※AI推奨手は77桂・・そして、角ではなく、歩を成って(58.▽37歩成)藤井二冠再び優勢へ・・・そして59.▲64歩打で再び形勢差が縮まり(AI推奨は61角、AbemaAI60-40)、難解な終盤戦。
~80手目
61.▲26歩打
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62.▽65桂
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63.▲77桂
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64.▽57と
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65.▲同金
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66.▽同桂成
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67.▲同玉
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68.▽76飛
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69.▲68桂打
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70.▽75飛
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71.▲66銀
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72.▽73飛
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73.▲16歩
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74.▽64歩
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75.▲74歩打
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76.▽83飛
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77.▲15歩
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78.▽44歩
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79.▲39飛
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80.▽37歩打
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~100手目
81.▲同飛
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82.▽36歩打
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83.▲同飛
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84.▽35歩打
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85.▲同飛
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86.▽34歩打
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87.▲同飛
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88.▽43銀打
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89.▲39飛
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90.▽45歩
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91.▲85桂
|
92.▽65歩
|
93.▲同銀
|
94.▽46歩
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95.▲73歩成
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96.▽38歩打
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97.▲83と
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98.▽39歩成
|
99.▲72と
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100.▽55金打
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~120手目
101.▲48銀
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102.▽47歩成
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103.▲同銀
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104.▽45桂打
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105.▲67玉
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106.▽66飛打
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107.▲78玉
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108.▽65飛
|
109.▲62飛打
|
110.▽33玉
|
111.▲65飛成
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112.▽同金
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113.▲36飛打
|
114.▽23玉
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115.▲44歩打
|
116.▽67銀打
|
117.▲87玉
|
118.▽34銀
|
119.▲41角打
|
120.▽31銀
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~140手目
121.▲34飛
|
122.▽同玉
|
123.▲52角成
|
124.▽44玉
|
125.▲34金打
|
126.▽55玉
|
127.▲44角打
|
128.▽
|
129.▲
|
130.▽
|
131.▲
|
132.▽
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133.▲
|
134.▽
|
135.▲
|
136.▽
|
137.▲
|
138.▽
|
139.▲
|
140.▽
|
127手まで、中村七段投了。
※AIによる評価値は、とても人間には見えない着手も含む数字であることをご理解の上、ご参考程度にどうぞ
本局のタラレバ検討会は千葉七段と増田六段です(*´▽`*)♪
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藤井聡太二冠と中村太地七段の対局前後のコメント
- 藤井聡太二冠
- 中村太地七段
『相掛かりにするのは予定だったんですど、24.▽42玉~28.▽72金とされてこちらの構想がその後分からなかったです。』
『少し難しい形の序盤になって、どういう風に組んでいくべきか難しい将棋かなという風に思っていました。』
『序盤はあまり思わしい展開じゃないのかなと思っていて、中盤は勝負を仕掛けて行こうという風に思って指していました。その後69.▲68桂打と打って部分的に受け止められる形になったので、その辺りで指しやすくなったのかなと思いました。』
『うまく粘られて決めきれない状況が続いていたかと思うんですけど、34飛~52角成で詰み形になったので、そこでハッキリ勝になったかと思いました。』
『最終局は来期の戦いに繋がってくると思っていたので、良い形で終えられたのかなと思っています。』
『順位戦は持ち時間が長いので自分に合っているのかなという風に思うんですが、あまり、なんというか、成績のことは気にせずに来期の1局1局に全力を尽くしたいなと思います。』
『今期は、タイトル戦にも出ることができて、その中で成績的にも良い結果が出せたのかなと思っています。内容的には課題が残る将棋も沢山あったので、来期そういう所を改善できるようにしたいなと思います。』
『(4年連続勝率8割超確定)特に今期はタイトル戦もあったり、順位戦も今までより上のクラスで、やっぱり今まで以上に手強い相手との対戦が多かったと思うので、その中で8割という結果を出せたのは自分の思っていた以上の成績だったのかなと感じています。』
『(名人戦)お二人はタイトル戦では初顔合わせで公式戦での対戦も少ないと思うので、非常にフレッシュで面白い対局だなと思っています。』
『相掛かりになったらこの形をやってみようかなと思っていました。』
『色々考えていたんですが、積極的に動けるかなとこの形を選びました。中盤から終盤の入り口に欠けてずっと難しくて、複雑な将棋だったと思うんですけど、うまく受け止められてしまってというか、難しいところで均衡を保つというか、バランスを崩す手を指してしまってそこからは、チャンスがない将棋になってしまったかなと思います。』
『ちょっと難しくて振り返らないと分からないんですが、気づいたら・・端角(50.▽15角打)とかも、働くつもりで打ってたんですけど、結果的に働かないものになってしまったのが、ちょっとまずかったですね、もう少し角を活かすような手があったかどうか、なければこの角がちょっと良くなかったかなという所なんですが・・その辺りの47.▲55銀打と打たれた辺り~はずっと難しくて何をやったら良いのかちょっと分からなかったです。』
『(終盤)形勢は苦しいかなと思ったんですけど、まぁ苦しいながらも何というか、自分にできることをというか、苦しい中でできることをと思ってやっていました。』
『内容的にちょっと、上手く指せない将棋が印象に強く残ってますので、もう少し実力をつけて来期臨みたいと思います。』
『長い時間の将棋で(藤井二冠と)指せるということで、組み合わせが決まったときから楽しみにしていたんですけれど、その中でしっかり準備して臨めて、難しい終盤も複雑な将棋を楽しむことはできたかなと思います。ただ結果が出なかったのは残念です。』
藤井聡太二冠の次の対局予定は3/23竜王戦vs松尾八段
叡王戦八段戦は、糸谷ー広瀬戦がまだ未定、その勝者と対局が決まっていますが、今期中にはないようです
【3月23日】vs松尾歩八段【第34期竜王戦2組R戦】
対局相手
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クラス別戦績
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過去対局
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持ち時間
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各5時間
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時間別戦績
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5時間棋戦通算48勝10敗(0.8275)
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対局場所
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東京将棋会館
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開始時間
|
10:00~
|
トーナメント表
|
中継情報
10:00~
●AbemaTV9:30~
※解説者:未定
※聞き手:未定
過去対局
※※横にスクロールできます※※
日付 | 勝敗 | 対局時クラス | 手番 | 戦型 | 手数 | 棋戦名 | 棋譜 |
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2017/12/15 | ○ | B1 | 後 | 先手中飛車 | 122手 | 第11回朝日杯二次予選 | 棋譜 |
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