山口県下松市にある山下工業所という会社をご存知でしょうか?

従業員数は36名。

日立グループ各社の認定協力工場として、40年を超える納入実績を持ち、板金加工会社としては今やオンリーワンの存在です。

鉄道車両の3次元曲面部品の製造、『打ち出し加工技術』を得意とする会社です。

4,5人が、オデコと呼ばれる先頭車両の骨組みに張り付いて作業をするのだそうです。

山下竜登(やましたたつと)社長が言うには、気がついたらこの板金を得意とする会社は山下工業所だけになっていたそうです。

山下竜登(やましたたつと)社長の経歴

山下竜登(やましたたつと)
出典:http://www.fmy.co.jp/blog

1964年山口県下松市生
下松高校から早稲田大学商学部に進学
卒業後東京で大手金融会社に就職。
駐在員としてオランダ、オーストラリアでの事業展開に携わる。
日米会話学院官庁企業委託科を修了。
※現地法人の運営管理・企画・マーケティング・提携営業等を担当。
2006年退職、帰国後、2007年に父親の経営する山下工業所の専務取締役に就任し現在に至ります。
※家業は父親の体調不良により、頼まれたそうです。
 

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幼い頃から可愛がってくれた工場長や社員さんから嘆願された様子です。

英語、コンピューター、財務を勉強するように父親から指導を受ける。

山下工業所とは?

1963年に父親の山下清登氏(現在は山下工業所相談役)により、山下組(66年に現社名に改称)が創業されます。

清登氏が自動車修理工場で、先輩から教わるのではなく技を盗み今の『打ち出し板金』という技を身につけたそうです。

この清登氏の身につけた打ち出し板金の技術は、関係業者からとても評判が良く、努めていた自動車修理工場が廃業しても、その技術が買われ日立製作所の協力企業に身を置く自営業者になられたそうです。

正社員勧誘の誘いもあるなか、気楽に自営業をしてみたいという理由から拒否し、日立製作所の後押しもあり起業をなされたようです。

幾度の危機はあったようですが、新幹線製作の中間工程に機械を導入するなどして分割体制を作り出し、生産性を大きく向上させることにも成功することができたようです。

体調不良により、息子である竜登氏が会社の後を継ぎます

山下竜登氏が山下工業所に感じた危機とは?

山下竜登氏が専務就任後すぐに感じた危機は・・・

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  • 世界に誇れる技術を持っているにも関わらず若い人が会社にいない
  • 打ち出し板金という技術で新幹線の頭の部分を作りますと言っても日本どころか、地元の人にさえ認知されていない

これらのことに危機を感じた山下竜登氏は、思考錯誤しながら会社の宣伝に乗り出します。

様々な受賞コンクールに応募したり、ホームページを立ち上げたり・・・

そこで思い立ったのが、板金で作るバイオリンと山口県のマスコットキャラクター『ちょるる』の製作。

↓板金バイオリン
板金バイオリン
出典:http://yamashita-kogyosho.blogspot.jp
↓ちょるる(打ち出し板金を応用して製作されたそうです)
板金ちょるる
出典:http://fourninesbyhayashimegane.soreccha.jp

この活動が功を奏し、認知度も広まっていき、10~20代の若手の方々を採用することができたそうです!

70代の職人が10代を鍛えて一流の職人に育て、これからも新幹線の車両製造を支えていかれるのだと思います。

なぜ新幹線の一部を未だに手作業なのか?

板の切断や曲げには機械が導入されたそうですが、新幹線の頭の部分の流線形曲面を作り出すのは熟練の職人の技である『打ち出し板金』。

0系新幹線の頃から変わっていないそうです。

鉄道車両は、多品種少量生産品の典型だそうで、先頭車両は前後2両しかないため作る数が限られています
 

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これらの理由から高額な金型を必要とするプレス成型や、厚い板からの切削成形では、採算が合わないのだそう。

しかも、新幹線は最新技術が用いられるため新型になればなるほど形状が複雑化して更新頻度も早いため、手作業で曲げて溶接する打ち出し板金が小回りがきいて最も低コストで確実な手法なのだそうですヨ✩

まとめ

このような社歴や独自の打ち出し板金で、他には真似できない職人技を持つ山下工業所は、『日本を救う中小企業100』において、日本の未来を担う厳選10社に選ばれたそうです。

2022年まで製造計画は埋まっているそうです。

山下竜登社長は、インタビューでお父様のされている板金の魅力を若くから知っていたら板金屋になっていたかもしれないと語られています。

当時山下工業所を継がれるときに奥様は、『父親を助けないなんて男じゃない!いざとなればどんな仕事も一緒にしていく所存です』と言われたようです。

素晴らしい奥様をお持ちでいらっしゃいます。

そんな山下竜登社長は、お父様からアジアの時代がくるから、時代にのれるようにコンピューターと英語と財務を学ぶように教えられたようですが、結果それが経営者という形で山下工業所を支えることになられているので、実はお父様も見越してのことなのでは??と思ってしまいました。

親子での講演会も度々開催されているようです。

それがさらに山下工業所の素晴らしさを世間に広めてくれることになるでしょうネ✩

和風総本家で新幹線の技術が放送されますので記事にしてみました✩

出典:https://www.youtube.com