オイコノミアで放送された『多数決』についてのお題。

現代でも様々な場面で用いられている決定方法。

講師は、慶應義塾大学教授、坂井豊貴氏。『決め方の経済学』など多数の本を出版されている先生でした。
多数決
出典:NHK
経済学の中には『社会的選択理論』というものがあります。
社会的選択理論とは個人が持つ多様な意見を社会的決定に導く研究のこと
出典:NHK
個人が持つ多様な意見を社会的決定に導く研究のことです。

要はみんなの意見をどうまとめるか?という決め方を考えることです。

多数決もその中のひとつです。

多数決は欠陥が多い?暴力的な決め方?扱い方には注意が必要?

多数決は使い方によってはとても暴力的な決定の仕方になりやすい。

というのも、本当に正しいことでも9対1になってしまえば状況を知らない人にとっては、その多数決だけで正しくないと判断されてしまうこともあり得るのです。

そこで、多数決という決定方法を選択する場合は使用条件というものが存在します。
多数決を使用する条件3ヶ条
出典:NHK
①多数決をする皆に共通の目標があること
例に例えるならば、法の規定などがそうです。

安全保障の問題でも、賛否両論ありますが皆に『安全な国であるために』という同じ目標があります。
②投票者が自分の頭で考えて投票すること
誰かの意見に従ったり空気に流されるというのは危険で、多数決を取る中にボスがいるとそのボスに従う人が出てくるため多数決でありながら、多数決の意味を持たないのです。

③重要すぎることについては多数決は使わない
重要すぎること=人権保障などに抵触することには使ってはならない。

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選挙活動には多数決が用いられています。
重要なことなのに多数決?と疑問に思われますが、そもそも民主主義の理念は私たちのことは私たちで決めるという理念なので、多数決はその私たちのことを決めるためのひとつの手段であるだけということなのだそうです。

しかし、物事を決定するときにはもっと上手な決定方法があるのだそうです。

多数決以外の上手な決定方法

 
多数決以外の上手な決定方法
出典:NHK

繰り返し最下位消去ルール
繰り返し最下位消去ルールはオリンピック候補選びなどで使用されている
出典:NHK
2020年のオリンピック開催地
出典:NHK
まずマドリードが落選し、その後イスタンブールが落選し、開催地は東京に決まりましたね。

それぞれの決め方には、メリットやデメリットがありますが色々な決め方があるのです。

決め方によって結果が変わる!?

3組のお笑い芸人『ダンビラムーチョ・空気階段・LOVE』にネタを披露してもらい、優勝者を決定してみます。
お笑い芸人の3組にネタを披露してもらい優勝者を決定します
出典:NHK

多数決では空気階段4票、ダンビラムーチョ11票、LOVE0票という結果に。

3種類の結果で結果が変わることを示す・・・・・・のはずがですね、多数決で過半数以上の指示を得てしまったダンビラムーチョ。

こうなってしまうと決定方法を変えてもダンビラムーチョが優勝になるようです。

ここではゲストの春香クリスティーンさんも『だったら多数決で良くないですか?』と(;^ω^)

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そして、坂井豊貴先生、実験に参加していた自身のゼミの生徒さんを叱っていました(;^ω^)

君たち僕のゼミ生なんだから、この3つの方法によって全部結果が変わるって方が面白いっていうのわかってるよね?ゼミでやったよね?だったらさ、それをさ、僕の意を汲んでくれても良くない?

ちょっと笑ってしまいましたが、ここからヤラセの実験が始まりました。

↓先生、ゼミ生たちに指示をしています。
坂井先生作戦会議
出典:NHK

シミュレーションの結果は・・・会議の結果このように・・・(;^ω^)

  • 多数決

空気階段(コント5票、ダンビラムーチョ(漫才7票、LOVE(コント3票

コント好きの間で空気階段とLOVEに票が割れた可能性もあります。

多数決の大きな欠陥は票の割れです。

代表的なものは2000年のアメリカ大統領選挙
2000年アメリカ大統領選挙
出典:NHK
当初はゴア氏の圧勝が予想されていましたが、第3の候補者ネーダー氏が立候補。

政策が近かったゴア氏を票割れを起こし、結果指示の少なかったブッシュ氏が当選となりました。

そこで、上位2組による決選投票付き多数決をしてみることに。

  • 決選投票付き多数決

決選投票付き多数決とは、初回の多数決で過半数に達したものがない場合、上位2つで再度多数決を行う決め方です。票割れを防ぐことが可能です
出典:NHK
フランスの大統領選挙や国内での大きな政党の党首選などで使用されています。

ということで、LOVEに投票した3名が上位2名に投票しなおします

空気階段8票、ダンビラムーチョ7票

こうしてみると、多数決というのは、多数派の意思を尊重するとは限らないのですね。

そこで、今度はボルダルールという決定方法で投票をしてみます。

  • ボルダルール

ボルダルールは配点式の決め方
出典:NHK
ゼミ生には、1位に赤を3つ、2位に黄色を2つ、3位の青を1つ置いてもらうことに。

すると結果は2位の票を集めたLOVEが優勝することに。
2位の票を集めたLOVEが優勝
出典:NHK

ボルダルールの利点は、2位以下の選択肢にも意見を反映できるところ。多数決では拾い上げられない意見が救い上げられる決め方なのです。

どの決め方が一番納得のいく決定方法なのか?

より満場一致に近い方が、納得のいく決め方に近いと考えられているので、ボルダルールの方が納得のいく決め方に近いのだそうです。

満場一致とは↓下の表で言うならば1位の列に名前がそろうこと。
シミュレーション投票の結果順位
出典:NHK
ボルダルールによるとLOVEが順位を上げるには、7人が1つ、5人が1つ順位を上げなければならないのです。
ボルダルールによるとLOVEが順位を上げるには、7人が1つ、5人が1つ順位を上げなければならないのです
満場一致までの距離は12

ボルダルールによると空気階段が順位を上げるには、7人が2つ、3人が1つ順位を上げなければならないのです
満場一致までの距離は17

これを比較すると、ボルダルールが決選投票付き多数決よりも満場一致までの距離が近いことが解ります。

多数決だけじゃない!まとめ

満場一致の意見というものを決定するのにはボルダルールという決め方の方が良いという結果が解ったのですが、確かにそうだなと思いました。

満場一致というものを求めるということは、実はとても難しいことで、多数決によって決定されなかった側の人の気持ちも汲むことができるということなのですよね。

多数決で過半数を占めてしまったときは良いですが、微妙な具合で割れてしまったときはこういう決定方法の方が皆が納得しやすいですね。

とても腑に落ちる放送内容でした。